セブンと新マン


ブルマァク製30cmサイズでマスクの取れるウルトラセブンと帰ってきたウルトラマン。
どちらも1972年度に発売されました。
前回の記事で取り上げたタロウ同様、この新マンの造形もセブンに酷似しています。




ボディや手足の比較。
関節部のしわは完全に一致しています。


タロウでは差異の見られる内腿の曲面もよく似ており、新マンの方がセブンとの「そっくり度」は高いようです。
この2体はどのように作られたのでしょうか。



ブルマァクは1971年度までは30cmサイズでマスクの取れない人形を発売していました。
セブンと新マンは1972年度にマスクの取れる仕様でリニューアルされたことになります。


マスクの取れるソフト人形の元祖は中嶋製作所のタイガーマスクです(注)。
ただしウルトラ怪獣とタイガーマスクがソフト人形の人気を二分していた1970年度まではこの仕様を採用する追随商品は現れていません。
1971年度になってバンダイが仮面ライダーでマスクの取れる人形を発売し、ライダー人気の高まりとともにヒット商品になります。(画像のマフラーは代用品です)


ブルマァクはこの流れを受けて、71年12月新番組のミラーマンからマスクの取れる仕様を採用します。


バンダイも同時期のシルバー仮面や月光仮面をマスクの取れる人形にしています。
タイガーマスクや仮面ライダーはキャラクターの設定上マスクが取れる必然性がありましたが、このころから「マスク取れ」は設定に関係なくヒーロー人形の商品仕様のようになっていきます。



こうした傾向は1976年ころまで続きますが、特に72年度は変身ヒーローの乱立とともにマスク取れ人形が大量に発売されています。


マスク取れのセブンと新マンの発売にはこうした背景がありました。
セブンと新マンの場合、リニューアルという性質上商品化はほぼ同時に決定されて原型師への発注も同時期だった可能性が考えられます。
ほぼ同時に同サイズの2体のヒーローを発注された原型師は、効率を考えてワックス段階で改造しての作り分けを前提に共通の原型を作ったのではないでしょうか。

前回記事の工程2で制作する石膏製のメス型は通常はすぐ廃棄されてしまうようですが、2体同時制作を前提としたためにすぐには壊されることなく、2回使用されたのではないかと思われます。


もし石膏製のメス型がその後も保存されていれば、翌1973年のタロウ制作時にも再利用されたのかもしれませんが、真相はわかりません。
いずれにせよこれら3体は造形的に共通の素体を持つ兄弟と言えると思います。



蛇足ながらこうした例は他にもあります。


画像はバンダイ製・キングサイズという大型人形の仮面ライダー、コブラ男、ヤモゲラス。
(マフラーは代用品、ヤモゲラス頭部は破損しています)
ライダーと怪人の脚部は同じ形状であり、しわなどもほぼ一致しています。


ただしライダーのみ側面に縫製モールドがあり、全体に彫刻がややシャープになっています。
また右足首周辺のしわにのみ差異が見られることから、おそらく最初にライダーを造形し、その石膏メス型からワックス原型を複製して一部手直しして怪人用の脚部にしたのではないかと考えられます。
画像のヤモゲラスは右脚のみ誤ってライダーの金型から成型されていますが、形状自体はまったく同じなので違和感はありません。

なお、これらの仮面ライダーキングサイズは造形的な特徴からマスク取れセブンと同じ原型師の担当のようにも思えますが……はたして?


注:より正確にはマルザンのウルトラセブンペンダントという先例があります。
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[ 2010/01/10 03:29 ] ソフト人形 | TB(0) | CM(0)

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