ウルトラの父の素顔

ブルマァクが1970年代に発売したウルトラヒーローのソフトビニール人形。



画像は大きさが22~23cmのスタンダードサイズと通称されるものです。
ゾフィとウルトラの父が大きめに作られているのがわかります。


ゾフィと父はどちらも1972年の発売です。
この年は「ウルトラ兄弟」の設定が発表されて怪獣よりヒーローの人気が盛り上がり、小学館の学年誌では能力比較特集などが頻繁に掲載されています。
ブルマァク自体も能力比較表などを掲載した冊子を商品に封入していました。
こうした場で発表された設定身長がソフト人形のサイズにもある程度反映されているように思えます。


72年発売の3体のヒーローはいずれもマスクを取り外せる仕様になっています。
マスクの下の素顔はエースとゾフィは同じで、元はミラーマンのスタンダードサイズ制作時に造型されたもの。
ウルトラの父のみ別の顔になっています。


ふたつの顔を注意深く観察してみます。
エースとゾフィに使用されているのはほほのふっくらした少年ぽさの残る顔ですが、父の方は目の下と口もとに浅い皺があり、顎に割れ目があります(画像ではわかりにくいですが現物を見るとはっきりとわかります)。
スプレー塗装の印象に惑わされがちですが、二つの頭部は明らかに目指す方向性が異なっています。


同じサイズなのにわざわざ作り起こしているのは、ヒーローたちは一律に若者の顔でも「父」に同じ頭部を流用するのは無理があると判断したからなのかもしれません。
ウルトラの父に使用されているのは、「大人の顔」として専用に制作された頭部なのではないかと考えられます。
 
ところが……



その「父専用」らしき頭部は、その後さまざまなヒーローに使用されているのです。
上の画像のタロウとミサイル付きレオ以外にもZAT隊員やレッドファイター、グリーンファイターのスタンダード人形に使用されているのが確認されています。

これでは「原型師はウルトラの父専用のつもりで作ったが、その意図が生産現場で徹底されなかった」のか
「単なる青年顔のバリエーションにすぎない」のか、判断がつきません。



ブルマァクは33cm前後の大きな人形でもマスクの取れるタイプを発売していますが、こちらの父は他と同様の青年顔が使用されています。
やはり「父専用の大人顔」というのは考えすぎなのでしょうか。

しかし……



翌73年に発売されたタロウの33cmサイズには、また違った頭部が使用されているのです。


このタロウの頭部を普通の青年顔と比較してみます。
ほほのラインは明らかにシャープになっており、顎は四角くがっしりとして割れ目もあります。
目の下には浅い皺があり、もみ上げの処理などから見ても、どうやら「大人の顔」を目指して造型されているらしいことが読み取れます。


このタロウの頭部を、どう考えるべきでしょうか。
「原型師はウルトラの父専用の大人の頭部として作ったが生産の現場で徹底されなかった」のか
「単なる青年顔のバリエーション」なのか?


真相に迫るには、同じサイズでももっと多くの個体を集めてみるとか、別のサイズ(特大サイズなど)の頭部の使用状況を調査するなどが必要になるかと思いますが、当ブログではこれ以上はわかりません。
個人的には、原型師は「父専用」のつもりで作っているように感じられるのですが…

ブルマァクは謎が多い…そこが魅力でもあります。
 
スポンサーサイト



[ 2009/12/28 02:36 ] ソフト人形 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://pazulumo.blog.fc2.com/tb.php/68-d278bf7a