ハメ込ミ式(スナップフィット)採用

1974年度よりバンダイ模型の低価格プラモデルは仕様を一新し、その形態は1978年度まで継続します。


組み立ては接着不要のハメ込ミ式になり、接着剤の同梱は廃止されました。


従来の箱入りは1箱80円・4箱パック300円に値上げされました。
箱絵はテレビのブラウン管を思わせる共通デザインが採用され、1976年度の一部製品まで継続されます。
また新たな形態として箱無し・袋入り状態での販売が開始され、こちらは50円の価格が維持されました。
封入されている紙の裏が組み立て図になっています。

これらは箱入りは模型店、4箱パックは百貨店やスーパーの玩具売場、袋入りは駄菓子屋や文具店というように流通経路を考慮した形態分けだったと思われます。


袋入りは大きな台紙に1ダース分がホチキス留めされて店頭に並びました。
最上段の3個のみ紙製のタグが付属しています。
台紙のメーカー表記は1974年度製品のみ「発売元・丸越 製造バンダイ模型」となっていますが、1975年度以降は「バンダイ」に変わっています。



バンダイ模型のキャラクターキットでは、ハメ込ミ(スナップフィット)は1974年度のミニプラモで初めて導入されています。この技術は紆余曲折を経て現在のガンプラにまで継承されており、キャラクターキットの変遷を考える上で要点のひとつだと思います。


このころはバンダイ模型以外の各社もキャラクターキットのスナップフィット化に積極的で、今井科学・タツノコランドのモデロック、ブルマァクのユニパズル、アオシマの合体マシンなどのシリーズが展開されています。
これらのプラモではおもに「パーツを合わせた後にストッパー的な役割のパーツを付けて固定する」という方式がとられていますが、確実に固定される一方で元のデザインに無い分割や段差ができてしまう場合があり、形状の再現性は微妙です。
アオシマのオリジナルロボット「アトランジャー」などはストッパー役のパーツをあらかじめ想定して腕・脚にリング状の段差をデザインすることで対応していました。



一方バンダイ模型が採用したのは「接合ピンの大型化」という手法です。
「接合ピン」とはパーツの位置合わせの目安となる凸凹一対のはめ合わせ部で、穴の直径は1ミリくらい、突起は高さ1ミリほどの円錐状になっています。
接着時の目安用なので、通常はピンを組み合わせてもほとんど保持力はありません。


バンダイ模型はこの接合ピンを1.5倍程度に大型化し、差し込み部は円錐でなく円柱状にして保持力を高めています。またピンの設置位置をパーツの中央に変更し、モナカ状の中空パーツを太い柱で支えるような構造としています。
この手法自体は1960年代から存在していたと思われますが、固定が内部で行われるためパーツ表面のディテールに影響が及ばないのが利点です。
「精密なスケール物こそプラモデルの本道」と考えていたという当時のバンダイ模型社内スタッフの指向が、この方式の採用に反映しているのかもしれません。


ただしこの時代のパーツ成型技術はまだ不安定だったので、接合ピンがゆるすぎて固定できない、あるいはきついピンとゆるいピンが混在していてすき間ができてしまうといったことはよくありました。
現在の高度なスナップフィットと比較するとあらっぽいものですが、当時の子どもは安いプラモとはそういうものだと思っていたし、自分でピンを調整したり接着してしまったりと自然に対応していたように思います。


次回は1974年度の製品ラインナップにもどります。
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