まぼろしのウルトラファイト自販機


玩具商報1973年10月15日号より。


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仮面ライダーV3の「オートシネビジョン」という自動販売機の広告です。
100円を入れるとV3の映像を見ることができ、同時に景品が出てくるそうです。


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発売元は大阪に本社のある根岸良典商店、価格は17万円となっています。
映像は8ミリフィルムで10秒~6分に調整可能、V3以外にも「東映の教育映像で漫画映画を豊富に」揃えているとのこと。
各部に多くの改良点があると記述されており、同様の自販機はこれ以前から稼働していたようです。



私は「オートシネビジョン」に似た機械でウルトラファイトを見た記憶があります。

たしか1972年の夏以降のころだったと思います。
行きつけのスーパーの玩具売り場のはずれに、同様の自販機で「ウルトラ怪獣」の映像を見ることが出来るものが置かれました。
外見からはなにが見られるのかわからず、とにかく見てみたくて親にねだったのだと思います。
コインを入れると大音量の音楽が鳴り響き、映写が始まったのはたしかセブン対恐竜戦車のウルトラファイトでした。
「な~んだ、ウルトラファイトなのか」と少し拍子抜けしましたが、当時の自分は「ウルトラマンとセブンは帰ってきた~以降とは別格」と感じていたので、その映像を放送以外で見られるのは魅力的でした。

ただし、困ったのが音です。
稼動とともに大音量で流れ出したのは「怪獣音頭」です…
当時は聴いたことがなかったし、ご陽気な伴奏とともに「ヌルっと出てきた怪獣は~」とおかしな歌が流れると、周囲にいた人たちがなにごとかと集まってきて、とてもじゃないが映像に集中することが出来ませんでした。

その後もしばらくその機械は置かれていて他にどんな怪獣が見られるのか気になりましたが、大音量の怪獣音頭を考えると、もう一度見ようとは思えませんでした。
あの音さえなければ何度でも見たかったのに……(T T

なお、出てきた景品はタカトクの仮面ライダー駄玩具だったような気がしますが、これは思い違いかもしれません。



ところで、ウルトラファイトの人気が「帰ってきた~」制作を決定させたというような記述をよく見かけますが、当時怪獣好きだった子供の一人としては違和感があります。


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当時の子供にとってのメインはやはり「再放送で見る第1次ブーム期作品」であって、その盛り上がりがあった上でウルトラファイトは「脇に加わった」という程度の印象です。ソフト人形や絵本、ブロマイドなどの関連玩具もファイト放送以前から大人気でした。
自分の場合、ファイトでもいわゆる「抜き焼き編」は大好きで、めったに見られない「ウルトラ眼光」や「ウルトラバリア」などに当たった時は大歓喜でした。


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一方「新撮影編」は、幼児ながら「怪獣ではあるけど、これは違うだろ…」と脱力しました。

成人後には世代としての思い入れも生まれて、LDボックスで全話制覇した時にはある種の達成感がありました(^^
とはいえ、それはあくまで「ゆるさを楽しむ」という現在の視点からのもので、子供のころは同じ怪獣なのに本編との落差が大きすぎて許容できなかったのだと思います。
マニア上がりでプロになった人たちには「当時からファイトが好きだった」と公言される方も少なくないようですが、それが主流だったとは思えないけど、どうなのでしょうか…?


P2283343-のコピー
掲載しているファイトの写真は丸昌の5円ブロマイドです。
中でもこれは、ウルトラブロマイドで「ダブリじゃないのに全然うれしくない」という、稀有な1枚です(^^;

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[ 2020/02/28 22:20 ] 怪獣ブーム雑感 | TB(-) | CM(6)

初めて見ました

オートシネビジョン、知らないなぁ。
デパート屋上のゲームコーナーにあった、双眼鏡みたいなもので動画を見るタイプのものは好きでした。音は出なかった気がします。
ウルトラファイトの感想は逆かなぁ。私が子供過ぎたのか、pazulumoさんが大人びてたのか。
今でこそ、抜き焼きシリーズは見向きもしませんが、当時は新撮と同等に楽しんでおりました。逆ってこともない微妙な言い回しですが(^_^;)、それとは別に、ウルトラマンやセブンの本編は、ウルトラマンやセブンが出て来るまでの20分、子供の自分はよく我慢して観ていられたものだなぁ、と。話の内容なんて理解出来ていなかったし。でも、何か感じるものがあったのでしょうね。
私も10代後半から20代は、新撮のウルトラファイトに緩さの面白さを感じていましたが、今はまた子供の頃の純粋にセブンを応援する気持ちで観ています♪
[ 2020/02/29 22:20 ] [ 編集 ]

なるほど~

三浦様は新撮編を楽しんだ側ですね、やはりそれが主流だったのかな…

私はエレキングの角が垂れている時点で「ふざけるな」と思ってしまいました(^^;
その後、2代目のゼットンやメフィラスに抱いたのも同じ感情だったと思います。
第2次ブームでの巨大ヒーロー作品には「美術の軽視」という大きな欠点があったと感じていまして、そのこともいずれ書いてみたいと考えています。

子供時代の本編内容の理解については、自分も謎です。
中学生ころ(第3次ブーム時)の再放送で、初めてジャミラの内容を理解して衝撃を受けました。
それ以前はどう感じていたのかはおぼえていませんが、とりあえず怪獣が出てくればおもしろく感じていたような気がします。
…怪獣バカですね(^^;
[ 2020/03/01 10:23 ] [ 編集 ]

怪獣バカ

私は、何の疑問も持たずにウルトラマンレオまでしっかり観てました(苦笑)。
ファンコレが出て、その内容の深さに対する記述を読むまで「ウルトラセブンかっこいい!」という気持ちでしか観ていなかったように思います。
中高生でその内容の深さにのめり込みましたが、30代になって、なぜ自分がセブンを好きになったのかを思い出したとき、内容の深さに捕らわれていたことは「寄り道」だったようにも感じました。50代になってみれば、それもまた楽しい寄り道だったなぁ、と(笑)。
ウルトラファイト新撮分のエレキングについては、角が垂れているのは歴戦の奮闘によるものと、子供なりに好意的な目で観ておりました。この辺は逆に達観してたというか、アトラクションショーでも表からも裏からも楽しめる目を持っていた気がします。傷も勲章というのと同じですね
ただ、前半に出てくる全体的にヨレヨレなエレキングにはそういった美学を感じられていたものの、後半に出てくるエレキングの着ぐるみは頭部がヤケにシッカリしていて、そちらは何だか許せませんでしたね。
子供の目で見ても、2期の2代目怪獣で許されるのはメトロンJr.くらいかなぁ。バルタンJr.もカッコ良くは見えなかったし、ゼットンも酷いとは思いつつ我慢して観てましたが、メフィラスやエレキングには完全に頭にきてましたねぇ。
まぁ70年代、ウルトラシリーズはまだマシで、それ以外の怪獣は、円谷であってもちょっとあり得ない造型レベルでした。成田+高山コンビで製作されたヒューマンの怪獣でさえ見る影もない感じですもんね。
でもでも、2代目怪獣の酷さ以外はあまり気づいていなかった子供の頃の私。子供騙しに騙された1人。
セブンのさまざまな着ぐるみの違いには気づいていたけど、ウルトラマンのABCだって知らなかったもんなぁ。。
[ 2020/03/01 14:20 ] [ 編集 ]

セブンの違い…?

私はエースの途中くらいで思い入れが薄れてきて、タロウとレオはとびとびに見ていた感じでした。
削がれた分の熱量はライダーなりマジンガーに向いていたのだと思います。

子供騙しという点では、アマゾンライダーでガマ獣人が頭部を飛ばすのを見て「あ、自分はこれにノレない…」と気付いたのをハッキリおぼえています(^^;
その後のロボコンやゴレンジャーは「自分より小さい子に向けられている」と自覚しつつ見ていましたが、1977年のアニメ・SFブームで「大きくなっても見てもいいんだ!」と思ってしまったのが運の尽きでした…

ファイト版エレキングの角は、「ぬいぐるみが傷むのはわかるけど、作品として撮影する以上はちゃんと修理すべきだ」という思いでした。
二代目怪獣も造型の悪さだけでなく「それで良し」としている作り手の姿勢に腹が立ったのだと思います。
そこには「どうせジャリ番だ」という不誠実が透けて見えるようで、反発した気がします。

ヒューマン怪獣では、高山造型はジャイロックだけでその他はモ・ブル社内(実質は成田氏のご自宅にスタッフやバイトを集めての作業らしい)だと思っていましたが…
ヒューマン怪獣にセブンまでの成田怪獣ほどの魅力が感じられないのは同意です。
高山造型もアイアンキングやファイヤーマンではさえない印象ですが、デザイン画にはそっくりなものが多くて、池谷氏のやる気の方が問題だったようですね…(^^;

ところでセブンスーツの違いって、第2次ブーム当時の私は胸のラインがプロテクターまで届いているかどうか程度しかわかりませんでした。
さすがに筋金入りですね(^^
[ 2020/03/01 19:56 ] [ 編集 ]

自分も(世代的に?)ゲームコーナーの双眼鏡みたいな機械でギンガイザーを見たのが唯一の体験ですね(当時大学生でしたがw)。

「美術の軽視」
「それでよしとしている製作者の姿勢に…」
とはなるほどです。

映像ジャンルの勃興期には、最大の目的は「新たな景色を見せること」だったのが、その映像の(お約束含む)心地よさが 商売とうまく折り合いを付けた時点で「それでよし」になってしまうことは、クリエイティブの敗北とも言えると思います。

現在もなー。ウルトラとか特撮に限らず、もうちょっとだけ頑張れと 個人的に思ってます。老害かな?(笑)
[ 2020/03/13 08:07 ] [ 編集 ]

デジタル化で映像技術と簡便性は飛躍的に進化しているけど、全体が底上げされている分、突き抜けたものは現れにくいのかも。
現場の条件・待遇はよくない場合も多そうだから、そう簡単にがんばれとも言いにくいのですが…

ウルトラマンマックスで飯島敏宏が、無数に分身するバルタンとマックスを描いてみせた時には「これこそデジタル技術の正しい使い方だ!」と興奮しました。
最近だと思ってたけど、もう15年も前か~(^^;

[ 2020/03/13 13:23 ] [ 編集 ]

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