《再掲》ジョイントモデルの背景

2012年4月8日投稿の再掲載です。
発売中の昭和40年男でみくに文具さまが紹介しているグレート・ゲッター秘密基地も取り上げています(^^




ジョイントモデルの背景 
 
 

 
ジョイントモデルは1975年から77年にかけて展開されました。
 
それ以前のバンダイ模型のキャラクターロボットプラモデルは、1974年秋のグレートマジンガー初期製品まではブリキ玩具をプラモデルにしたような旧態依然としたものが主流でした。
1975年夏季のジョイントモデルの発売までの間に、バンダイ模型にどのような変化があったのでしょうか。
 
当ブログでは旧来型のプラモデルとジョイントモデルを橋渡しする存在として、1974年末期から翌年春季に発売された以下の4シリーズに着目します。
 
  1.グレートマジンガー/ゲッターロボ秘密基地
  2.スーパートレーラー
  3.DXモデル
  4.モデルボーグ
 

1.グレートマジンガー/ゲッターロボ秘密基地
 

グレート/ゲッター秘密基地は1974年の年末商戦に向けて各2500円で発売された大型製品です。
画像のゲッター秘密基地は欠品多数のジャンク品、グレート秘密基地は1998年の再版です。
 

オリジナルの格納庫風基地に既発売のモーター動力ロボットをまるごと同梱し、各種のクレーンや運搬車、オリジナルの腕パーツなどで整備・改造シーンを再現して遊べる内容になっています。
なお基地のパーツはグレート・ゲッター共通で、成型色のみ変更されています。
 

キャラクタージャンルの秘密基地としては今井科学のサンダーバード秘密基地がさまざまな意味で大きなインパクトを残しており、その後もマイティジャック、ガッチャマン、ウルトラマンA、マッハバロン等を題材に南海の孤島風の秘密基地プラモが多くのメーカーから発売されています。
一方バンダイ模型は1972年度にウルトラホーク秘密基地としてビルディングに擬装したオリジナル基地4種を発売しており、グレート/ゲッターの秘密基地はその発展型に位置づけられます。
 

『マジンガーZ』はテレビアニメとしては初めてロボットの巨大感や実在感を重視していたため、研究所内の格納庫での修理・改造シーンなどが頻繁に描かれており視聴者に強い印象を残しました。
グレート/ゲッター秘密基地とほぼ同時期にポピーのジャンボマシンダーでは厚紙製の大格納庫のプレゼントキャンペーンが実施されており、当時の児童にとってロボットの格納庫が魅力的な存在だったことがわかります。
 

またグレート/ゲッター秘密基地の縦型レイアウトの巨大な箱は「模型売り場のジャンボマシンダー」のような位置付けを狙っていたようにも見えます。
基地に同梱されたオリジナルの腕パーツにも変身サイボーグやジャンボマシンダーの影響が感じられます。
 

2.スーパートレーラー
 

スーパートレーラーは秘密基地よりやや遅れて1975年初頭に発売されたゼンマイ動力プラモシリーズです。
50円クラスのミニプラモ以外では初めて全面的にスナップフィットが導入されており、価格は各350円。
 
前年まではロボット本体に動力を内蔵してプロポーションが犠牲にされる傾向がありましたが、このシリーズではロボットのスタイル再現と走らせて遊ぶ要素の両立が試みられているのが注目されるポイントです。
その発想にはジャンボマシンダーで商品化されたマジンガーZ用の重戦車Zの影響がありそうです。 
 

画像はグレートマジンガースーパートレーラーの完成品。トレーラー自体はゲッター1と同型です。
グレート本体はブレーンコンドル同梱品と同じものです。(詳しくはこちら
 

スーパートレーラーの箱絵にはいずれも背景に秘密基地が描かれていますが、ロボットのスケールがまったく異なるため実際には連動させて遊ぶ要素はありません。
なおゲッター2スーパートレーラーは発売が確認されていないようです。
また、トレーラー部はのちに金型改修されてゲッターロボGのミニドラゴン(200円)に流用されています。 
 

3.DXモデル
 

DXモデルは1974年末から75年春ころに展開された動力無し・塗装済み・接着不要のロボットプラモデルです。
グレートマジンガー、ゲッター1、ゲッター2、マッハバロンの4種が発売され、価格は各500円。
グレートとゲッター1はスーパートレーラー同梱品と同じパーツが使用されています。
ウインドウタイプの一体型の箱はプラモデルというより玩具に近い印象です。
 

画像はゲッター2の完成品とグレートマジンガーの再現品(詳しくはこちら)。
ゲッター2以外の3種はパンチ発射が主なギミックです。
 

また、いずれも脚部に金属製のオモリ(画像の個体は錆が出ています)を内蔵する仕様になっていますがギミックなどには関係なく、単に重量感を持たせることが狙いのようです。
パンチの発射、重量感、金属を思わせるメッキ処理といった特徴から、DXモデルは当時大人気の超合金の魅力をプラモデルに取り込もうとしたシリーズだったと言えそうです。
 

ほんの数ヶ月前に発売されたゼンマイ動力ミニゲッターは人型ですらなかったことを考えると、バンダイ模型のキャラクターロボットに取り組む姿勢は大きく変化しています。
こうした変化の背景にはポピーの超合金とジャンボマシンダーの大ヒットの影響があったと考えられます。
かつてはブリキが主体だったロボット玩具はポピーによって進化・刷新され、バンダイ模型もようやくそうした流れに追いつこうと動き出したようです。

 

4.モデルボーグ
 

モデルボーグはDXモデルとほぼ同時期、1975年初めから春ころに展開されたロボットプラモデルシリーズです。
こちらはグレートマジンガー、ゲッター1、マッハバロンの3種が各1000円で発売されました。
 

モデルボーグはメッキメカを内蔵したクリア素体をメッキ・塗装済みの外装パーツで覆う構造になっています。
画像の現物はゲッター1です。
 
プラモデルのジャンルには1960年代からクリア成型の本体内にエンジンなどを再現した戦闘機や戦車のキットが存在しており、モデルボーグはそうした要素を受け継いでいる面があります。
また、人型という点に着目すると人体模型のプラモデルなどの影響もあるのかもしれません。
 

クリア素体は単に内部メカを再現しているだけでなく、各関節の可動が試みられています。
画像ではわかりにくいですが頭部、腰部も回転しており、組み立て図にも素体状態で遊ぶことを前提とする記述があります。
なお足にはDXモデルと同様に金属のオモリを内蔵しています。
 

画像はクリアパーツの接着前の状態。ひざと足首はネジ留めで可動するほか、脚の付け根はボールジョイントに近い形状になっています。
ただし実際に組み立てると可動範囲は広いとは言いがたく、一つ前の画像程度のポーズ付けが精一杯です。
 
 

メッキメカ内蔵の可動クリア素体、その素体にキャラクターの外装を被せるという構造は、1972年から展開中だったタカラの変身サイボーグシリーズと同じです。
「モデルボーグ」とはプラモデル+サイボーグの造語でしょうから、変身サイボーグの影響を受けているのは間違いないと思われます。
画像は少年サイボーグとゲッター1素体。
 

腕の外装パーツはリング状のプラパーツで固定します。
本体は足にゴム製のクツを履かせて固定するのですが、画像の個体では経時変化でクツパーツが縮んでしまい、使用していません。
なお、メッキ・塗装済みで金属感のある外装は超合金に近い要素と言えるかもしれません。
また、可動素体と外装の多重構造はガンプラMGシリーズの遠い祖先と位置づけることもできます。
 
 

モデルボーグはさまざまな先行製品をよく研究して多様な要素をバランスよく取り入れて構成されており、この当時のキャラクターロボットプラモデルとしては決定版といえる傑作だと思います。
バンダイ模型としても新たなプラモデルとして力を入れていたようで、専用のシリーズロゴや通常は印刷の無い下箱までカラー印刷を導入するなど装丁面にも工夫がこらされています。
 
 

 
では、それほどよく出来たモデルボーグは、なぜ翌年度以降も継続されなかったのでしょうか。
おそらくその理由のひとつは、プラモデルの宿命的な「壊れやすさ」だったのではないかと想像しています。
 
モデルボーグの発売当時、実際にグレートマジンガーとゲッター1を購入してたいへん気に入っていたのですが、どちらもほどなく関節部や外装のリングパーツが破損してしまったのを憶えています。
当時はパーツ単位での部品注文制度もなかったので対応するすべも無く、一部が破損したモデルボーグにはなんとも微妙で中途半端な感情を抱きました。
 
今回撮影している個体も、リングパーツのひとつが割れてしまいました。 
モデルボーグが意欲的に導入したアイディアの多くは、壊れやすいプラモデルよりも丈夫な玩具で実現するのに適したものだったように思います。
 
他に継続されなかった理由としては、メッキ・塗装にかなりの手間がかかるため生産ラインの確保が困難だった可能性も考えられるかもしれません。
 

そしてジョイントモデルへ
 
数ヶ月のうちに以上の4シリーズを開発したバンダイ模型は、1975年度を迎えます。
春季新番組のゲッターロボGでは、当初はゲッタードラゴン、ライガーのDXモデルの発売が予告されていました。
 

この予定が変更され、実際にはジョイントモデルが発売されることになりました。
その企画変更の過程にはある玩具が決定的な影響を与えているのではないかと想像しています。
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[ 2019/11/25 22:58 ] ジョイントモデル | TB(-) | CM(2)

ゲッターロボ秘密基地の方が

個人的には、ゲッターロボ秘密基地の黄色の透明パーツの方がグッときますね。
組立書を読んで初めて知ったのですが、ゲッタロボ秘密基地の頭上ドームは、天文台に偽装しているとのことでした。作るときには塗装しなきゃです。持ってませんが(笑)
[ 2019/11/26 14:47 ] [ 編集 ]

思い入れは

私も、当時売り場でふたつ並んだ秘密基地からゲッターを選んだので思い入れがあります。

なぜかミニプラモのゲッター2が入っていて、整備用ロボ?みたいな扱いなのも味があります(^^
[ 2019/11/26 16:13 ] [ 編集 ]

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