《再掲》クローバーのガンダム2


2010年8月29日投稿の再掲載です。




クローバーのガンダム その2
 

 
機動戦士ガンダムの本放送当時、メインスポンサークローバーの玩具が売れ行き不振だったことは前回触れました。
ザンボット3・ダイターン3では好調だった売れ行きがガンダムでは落ち込んでしまったのはなぜでしょうか。
原因のひとつとしてクローバーの製品ラインナップに問題があったのではないかと考えられるため、本項では前2作と比較して具体的に検証してみます。
 
なおガンダムDX合体セット(および合体セット)は売れ行き不振という状況が明確化してから対策として投入された製品であり、売り上げは良好だったのでここでは対象外とします。


ザンボット3の玩具
 

ザンボット3の特徴はザンバード・ザンブル・ザンベースの3機のメカが合体して巨大ロボットになることです。
さらにザンバードのみ小型ロボ・ザンボエースに変形する要素が付加されています。
発売された主要商品は以下の通りです。
 
1. ギミック無しのザンボット3基本体 1900
2. ギミック無しのザンボエース 1300
3. 簡易ギミックの廉価セット・コンビネーションプログラムジュニア 2300
4. ギミック再現のザンバード=ザンボエース 1800
5. ギミック再現のザンブル 2300
6. ギミック再現のザンベース 2400
7. 4~6の大箱セット・コンビネーションプログラム 6500
 
色分けで示したように、これらは価格・ギミック別に三つのラインに大別されます。
ユーザーの立場で考えると、予算が少なければギミックをあきらめて基本体、多少の余裕があれば廉価セットまたはデラックスの単品版、誕生日や年末年始時期などは大箱セットという具合に選択でき、極めて明快なラインナップといえそうです。
 
 
ダイターン3の玩具
 

 ダイターン3の特徴は単体でロボット・戦闘機・戦車に三段変形することで、付加要素としてコクピットになる変形マシン・マッハアタッカーが加えられています。
主要商品は以下の通りです。
 
1. ギミック無しのダイターン3基本体 1400
2. ギミック無しのマッハアタッカー 1300
3. 簡易ギミックのプッシュダイターン3 2500位?
4. ギミック再現のデラックスダイターン3 3500
5. ギミック再現のデラックスマッハアタッカー 1950
6. ギミック再現+電動の大箱セット・ダイターン3電動巨大セット 7500位?
 
ダイターンの場合はデラックスが3500円と中価格帯におさめられていたため、年末商戦向けの高額玩具として電動巨大セットが追加投入されたようです。 
それ以外はザンボット同様の三つのラインを踏襲しており、明快な商品選択ができるようになっています。


予想されるガンダムの玩具
 
ガンダムの特徴はコアファイターが変形したコアブロックを中心に上半身Aパーツと下半身Bパーツが合体することで、同じシステムを共有する味方ロボットが3体登場します(ガンダム・ガンキャノン・ガンタンク)。
これに付加要素として基地となる母艦、ホワイトベースが加えられています。
ザンボットとダイターンを参考に、主要商品を予想してみるとおおむね次のようになるのではないでしょうか。
 
1. ギミック無しのガンダム基本体
2. ギミック無しのガンキャノン基本体
3. ギミック無しのガンタンク基本体
4. ホワイトベース(小)
5. 簡易ギミックの廉価セット
6. ギミック再現のDXガンダム
7. ギミック再現のDXガンキャノン
8. ギミック再現のDXガンタンク
9. 6~8の大箱セット
10・ ホワイトベース(大)
 
上記の場合、基本体を選んでも味方ロボ3体はそろえられるし、デラックスを集めればさらに各ロボットのA・Bパーツの組み替え遊びも期待できます。
 
では、実際にクローバーが発売したラインナップはどうだったのでしょうか。


実際のガンダムの玩具
 

クローバーの主要ガンダム玩具は以下の通りでした。
 
1. ギミック無しのガンダム基本体 1550
2. ギミック無しのDXガンダム 2700
3. ギミック無しのガンタンク(DXサイズ) 2200
4. 脚部のみ取替え可能なバリエーションガンダム 980
5. 脚部のみ取替え可能なバリエーションガンキャノン 980
6. 脚部のみ取替え可能なバリエーションガンタンク 980
7. 4と5のセット・バリエーションコンビ2 2000?
8. 4~6のセット・バリエーション合体3 3000?
9. 簡易ギミックの廉価セット・コンビネーションジュニア 2500
10.簡易ギミックのABSガンダム 2300
11.ゼンマイ動力の歩行ガンダム 1800
12.コアファイター 1950
13.ホワイトベース(DXサイズ) 3500
 
前2作のラインナップとは大きく異なっているのがわかります。
 

1のガンダム基本体の現物がこちら。特に腰部の表現に難があります。
同サイズのガンキャノン、ガンタンクは発売されていません。
 

テレビで宣伝されたメイン商品は2と3ですが、これらは単体で二千円以上という高めの価格にもかかわらずコアブロックギミックが再現されていません。
しかも同サイズのガンキャノンは発売されなかったため味方ロボ3体を並べることもできないという、ひどく中途半端な内容でした。
 

4~8のバリエーションというシリーズの、ガンダムの現物がこちら。合金玩具としては低価格なため形状・可動ともいまひとつの印象です。

このシリーズは脚部のみ交換可能になっていますが、腰の部分はそのままなのでコアブロックギミックとは似て非なるものになっています。このギミックはオリオン製のチープトイ「ミニ合金シリーズ」と同じだったため、「形状やギミックに大差がないなら安いミニ合金で済ませてしまおう」と考えるユーザーも少なくなかったと思われます。
個人的には店頭でバリエーションガンタンクの単品売りは見たことがなく、確実に3体そろえられるかわからない状況では購入意欲が湧きませんでした。
 
 
9のコンビネーションジュニアは唯一コアブロックシステムを再現していましたが、ロボット1体あたりは700円程度に相当し、本格的な合金玩具というよりチープトイの延長のような内容でした。
 
10のABSガンダムはポピーのプラデラなどに相当するプラ玩具です。コアファイターの変形を省略した簡易ギミックのほか武器が豊富に付属するなどまずまずの内容ですが、合金玩具でないのに単体で2300円は高めに感じます。同シリーズでガンキャノンやガンタンクは発売されておらず拡張性が無いのも残念でした。
 
11の歩行ガンダムはブリキロボットを思わせる動力玩具です。前2作ではベル付きの三輪車にロボットを乗せた玩具が発売されており、そのラインを継承しての商品化と思われますが、高額なうえほとんどガンダムに見えない形状の動力玩具にどれほどの需要があったのかは不明です。
 
12のコアファイターは形状・ギミックともによくできた傑作ですが、合体すべきロボットが無いというのが致命的でした。
13のホワイトベースも出来はいいのですが、他の玩具との連動要素がなにも無いため商品的な魅力が薄く感じられます。また、たいていの場合ははじめにロボットを手に入れ、次に基地を買うという購入順序ですから、肝心のロボットが売れなくては価格の高い基地の売り上げも伸びません。
 
 
なお、本放送当時に北関東の地方都市の店頭ではバリエーションのセット売りやコンビネーションジュニア、ABSガンダムはほとんど見た記憶がありません。多くの売り場で目にしたのは1,2,4,5,12などで、それらの大半は放送終了ころまで売れ残っていたようでした。


 

以上のように、クローバーの発売したガンダム玩具はギミックや拡張性に乏しい、魅力の薄いものが多かったようです。特にコアブロックシステムがきちんと活かされた合金玩具が存在しないのは最大の失敗要因だったと思われます。
さらに、商品内容に明確な区別のない玩具が複数発売されているため、ユーザーの混乱を招いた面もあったようです。
 

例えば合金ガンダムを欲しいと思った場合には1,2,4の3種がありますが、これらは合体ギミック再現が無い点は共通していて商品特性に明確な差異がなく、ユーザーはどれにするか迷います。
1や2を選んだ場合は同サイズで味方ロボ3体をそろえることができないのでがっかりですし、4は形状や可動がいまひとつです。結局どれを選んでも作品中の合体や味方ロボット3体を並べることができなそうなので購入を躊躇する可能性も考えられます。
 

 
ガンダムの放送当時の競合作品は未来ロボダルタニアス、バトルフィーバーJ,スタージンガー、メガロマンなどで、さらにウルトラマン・仮面ライダー・ガッチャマンがリバイバルと新作の両面で多くの商品を展開しており、玩具売り場にはソフト人形から合金までさまざまな商品がひしめいていました。
こうしたなかで、合体ギミックの再現が無いうえ種類も不明瞭で割高な印象のガンダム商品が苦戦したのは無理からぬことだったかもしれません。
 
後半に追加投入されたDX合体セットが好成績を上げたのは、Gファイターというギミック拡張の新要素以前に、設定通りに合体する合金ガンダムがようやく発売されたという意味合いも大きかったのではないでしょうか。



 
ザンボット3・ダイターン3では価格・ギミックの両面できわめて明快な製品ラインナップだったクローバーが、ガンダムではなぜかギミック無しで特徴のはっきりしない商品ばかりを乱発しています。
また、DXサイズのガンキャノンは初期のクローバーのカタログにも掲載されておらず、当初から発売するつもりがなかったようです。
なぜこのような展開になったのか、理由はまったく不明で、不思議でなりません。
 
クローバーはザンボット3で初めて合金玩具を手がけ、まずまずの結果を残しています。続くダイターン3も好評で、ザンボットの150%程度の成績だったようです。
こうした好調の波の中、3作目のガンダムでは「売れて当然」という意識に変わっていたのかもしれません。
 
「どうせ売れるのだから、開発が大変な合体ギミックはそこそこにして、楽に開発できる単品ものを高めの価格設定でたくさん作ればますます儲かるぞ」……とでも考えたのでしょうか?
 
真相はわかりませんが、ユーザー側からすれば「ガンダムは好きだけど欲しいと思える玩具が無い」という状況だったのは事実で、ラインナップの迷走は売れ行き不振の一因になったのではないでしょうか。
DX合体セットだけがよく売れたのはユーザーにとって唯一の「欲しいと思える内容の玩具」だったから、と考えればつじつまは合います。
 

以上の内容には個人的な想像が多く含まれており、確定した事実ではないことをご理解ください。
 
(その3に続きます)
 
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[ 2019/11/16 00:05 ] 合金・プラトイ | TB(-) | CM(2)

予想を超えた悪ラインナップですね〜。

当時の記憶がマザマザと蘇って来ましたw
確かにご指摘の通りで、ガンダムの商品構成はクローバーが消費者を舐め切ったとしか思えない構成ですね。
当時、ザンバードとDXダイターンが家に有りましたが、これらは非常にイメージに近くて遊び甲斐が有りました。
しかしガンダムは色合いがパチモノにしか見えず、もうその時点で眼中に無かったです。
[ 2019/11/23 02:22 ] [ 編集 ]

やはり…

ザンボットとダイターンのオモチャを支持した人でも、ガンダムは敬遠していたという証言は意味があります。

ザンバードとDXダイターンなら、映像通りの変形が楽しめて充実感ありますね(^^
[ 2019/11/23 22:16 ] [ 編集 ]

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