ポピニカ・カウンタックの謎

ポピニカ・カウンタックの謎



画像はポピニカのアローエンブレム・カウンタックLP500S。
テレビアニメ「アローエンブレム グランプリの鷹」に登場する劇中車のカラーリングを再現したランボルギーニ・カウンタックLP500Sです。
実在車のポピニカという珍しい例になっています。



1976年後半くらいから児童間でスーパーカー人気が顕在化し、77年になるとプラモデルや玩具が各社から相次いで発売されて空前のブームになりました。


その背景のひとつには、キャラクタージャンルの人気下降があったようです。

第2次怪獣ブームから変身ブーム、マジンガーブームと推移してきた男児向けキャラクターは、グレンダイザー放送開始から半年が経過した76年春ころには人気が沈静化していました。
実写ヒーローはロボコンやゴレンジャーのように幼年向けに特化することで生き残りを図り、一方アニメも合金玩具を売るための作品が増えて、小学校高学年くらいの少年層の嗜好には合わなくなっていました。

そんな状況下、少年ジャンプ連載の「サーキットの狼」をきっかけにしたスーパーカーは、半キャラクター・半実在というハイブリッドな存在としてキャラクターから離れつつあった少年層の興味を引いた面があったと思われます。
ブーム時には父親のカメラを首から提げてスーパーカーを追いかける少年たちが話題になりましたが、彼らの中心はまさにこの年齢層でした。



テレビアニメは半年以上の準備期間が必要なので、ブームが顕在化してもすぐには対応できず、77年春季には新番組は間に合いませんでした。
よりフレキシブルな実写では、ジャッカー電撃隊の5月と7月の放送分にスーパーカーをメインとしたエピソードが作られています。
バラエティ番組では7月からテレビ東京で「対決!スーパーカークイズ」がスタートして人気になっており、「○曜スペシャル」といった番組でもスーパーカー特集がよく放送されていました。

そして迎えた77年秋の改編では、ポピー提供の「激走!ルーベンカイザー」「グランプリの鷹」、タカトク提供の「とびだせ!マシーン飛竜」「超スーパーカー ガッタイガー」という4番組が一挙に登場しました。
上の画像はポピニカ・ルーベンカイザーシリーズより。





ブーム期には多くの玩具・模型メーカーが参入して、ラジコンから消しゴムまでさまざまなスーパーカー商品が市場に溢れました。
スタンダードな1/43前後のダイキャストミニカーに限っても、画像のように多くの商品が発売されています。


サクラのスーパーカーシリーズ。ドアやボンネットが開閉します。


マルシンのミニスターシリーズ。ドアやライトがボタンで開閉するのが特徴です。


プルバック走行するシンセイのジェットマシーン。CMを頻繁に目にした記憶があります。
シンセイは「対決!スーパーカークイズ」のスポンサーだったそうです。


おなじみのヨネザワ・ダイヤペット。ただし画像のものは1/40のやや大型バージョンです。

他にも永大のグリップテクニカ43、トミーのトミカダンディなどのシリーズもあったようです。
当時は模型店でもミニカーを扱っている場合が多く、ガラスケースの中でこれらのミニカーが魅力的にピカピカ輝いていました。





そしてこのころ、ポピーの親会社のバンダイもBEC43というミニカーシリーズを発売しています。
BECとはバンダイ・エグザクト・コレクションを意味しているようで、スケールは1/43
8種あったというそのラインナップにはランボルギーニ・カウンタックLP500Sも含まれています。



ポピニカのカウンタックもスケール表示は1/43なので、同種の商品を2社が競作していることになります。

価格や対象層はやや異なると思われるので単純な比較に意味はありませんが、すでに本社の売り上げを追い越して玩具界の覇者になろうとしていたポピーと、本家たる親会社・バンダイの競作と考えるとなかなか興味深くもあります。



2台を並べてみると、上面形状は非常によく似ています。


車高はポピニカの方がやや高くなっています。


ホイールはポピニカの方が立体的な彫刻でいい感じです。


エンジンパーツはほぼそっくり……というか、もしかして同じパーツなのかも?
ディテールにごくわずかな差異はありますが、図面は共用ではないかと思えるほど酷似しています。


シャシーはまったく異なりますが、ボディへの取り付け部分が同じに見えます。
タイヤサイズはかなり違い、これが車高の差になっているようです。
ポピニカの赤いレバーはライト可動のためのもの。



後部の比較。テールライトやCOUNTACHの彫刻が同じです。
開閉部パーツの細部に違いが見られますが、ウイングの取り付けなどはほぼ同じです。

これは、ひょっとすると……





ワイパーの彫刻や車内の見え方もそっくり。


BECはチェンジレバーがライト可動のスイッチになっていますが、車内ディテールもほぼ同じに見えます。


BECのライトは通常のメタルシール、ポピニカはいわゆるプリズムシールのような光を反射する素材が用いられています。


フロントバンパーの比較。サイズ・形状はほぼ同じですが、ディテール表現に凹凸の違いがあり、これも図面は共用しているように見えます。






以上のようにこの2台には多くの酷似部分があり、基本設計が共有されているようです。
ポピニカ・カウンタックはシリーズ末期アイテムだったことを考えると、BECカウンタックの方が発売が先だった確率が高いと思われます。

その場合、ポピニカはBECの設計図面を基本流用し、細部を変更して制作されたものと考えられそうです。
ボディやドアなどは金型もそのまま流用している可能性があるかもしれません。




親会社と子会社の対決かと思ったら、実態は協力関係があったということだったようです。
そういえば、箱の中の梱包材も同じみたいですね(^^




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[ 2015/11/04 01:43 ] 合金・プラトイ | TB(0) | CM(9)

No title

そうそう、パッケージの体裁がそっくりだったので昔から気になっていたんですよね。
バンダイとポピニカでスケール・車種が重複してるのって他にはホンダCBFOUR750(実質的なポピニカ第1号)がありますね。
バンダイの方は「ビッグ・ミニシリーズ」というどっちなんだ?と突っ込みたくなるものですが(笑)
正確な発売時期は不明ですが顔有りの人形マークでした。
[ 2015/11/04 15:07 ] [ 編集 ]

No title

BEC43はスカイラインジャパンやセリカXX等の日本車もラインナップされていましたが、それらの発表時期を考えるともうスーパーカーブームは峠を越えていた時期ですよね。
個人的にはル・マン24時間レースで予選落ちしたサバンナRX-7(POPYロゴ付でバトルフィーバーJにも出演)の商品がなにか欲しいです。
[ 2015/11/04 15:13 ] [ 編集 ]

No title

スーパーカーといえば、カウンタックですよね!
今でも、当時買ったグリップの黄色いカウンタック残ってます(^^)
[ 2015/11/04 15:54 ] [ 編集 ]

No title

> kr9*2*様
ポピニカホンダオートバイはサイズや人形造形がどうもしっくりこないと思っていました。
元がバンダイ製だとすれば納得です。
RX-7はあの時期には「もっともスーパーカーっぽい身近なクルマ」という位置付けで人気でしたね。
[ 2015/11/05 09:55 ] [ 編集 ]

No title

> tag*m*dai様
カウンタックは、ほとんど「キャラクター車」といえる存在ですね。

グリップというと大きめのグリップテクニカでしょうか。
テクニカカウンタックはライト可動の有無で2種類あるみたいですよ~(^^
[ 2015/11/05 10:01 ] [ 編集 ]

No title

バンダイの方は現物を所有していませんので比較はできませんね。
長野県のリサイクルショップで10年くらい前に見てますが、その店今も存在してるかどうか…
パッと見てライト部分がバンダイはムクのメッキプラというのが印象が悪かったです。
発売時期も謎ですから(ポピニカは73年7月と価格表にありました。白バイは翌8月らしいです)。
ポピニカのホンダ750は、ミニミニサイクロンが750円、同ハリケーンが850円の時代に1,200円という高額商品でしたので造りがしっかりしています。
クロームメッキも分厚くて発売から42年経過しても全く劣化していないのが驚きです。
[ 2015/11/05 19:45 ] [ 編集 ]

No title

どちらが先だったかは断定できないようですね。
ポピニカというブランドの立ち上げにあたって、ラインナップを確保するためにバンダイから譲り受けたというパターンがありそうですね~
[ 2015/11/06 13:17 ] [ 編集 ]

No title

毎度スミマセンの完全憶測でまいります。
・「鷹」の売れ行きがハヤブサより全く良くない。
・売上水増しアイテムを作ることにする。架空カーじゃなくて、安定した人気のカウンタックを金型を借りて作ろう。
・「レーシングタイヤを履かせなきゃダメだろ」との声を受け、プラ部分のシャーシだけ新造することにする。ついでにライトギミックも玩具的にカンタンにした。

……てな感じだったんですかね。。😁
[ 2015/11/07 17:33 ] [ 編集 ]

No title

そんな流れだった可能性も考えられますね。
仕様として明確に異なるのはシャシー、タイヤまわり、ライトまわりだけなので。

その他の細かな差異は、例えばBECにもともと複数の金型が存在していたとすれば、個体レベルの違いなのかもしれません。
この点は多くの現物を確認してみないとなんとも言えませんが。
[ 2015/11/08 20:29 ] [ 編集 ]

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