アメラグ・ロボット

アメラグ・ロボット
 
 

画像は高さ8cmほどのアメフト人形。一見、昭和時代のファッション雑貨のように見えますが…
 
 

足裏にブルマァク、背中には永和企業・エイケン・雁屋哲の刻印があります。なんとUFO戦士ダイアポロンの商品です。
 
 

ヘルメットは着脱可能。画像のものはゼッケン22のチョコ松ですが、ほかに赤で10のタケル、ピンクで00のミキの存在も確認されています。どのような販売形態だったのかは不明です。
 
このようなデフォルメデザイン、しかも植毛タイプの人形というのはブルマァクでは珍しいと思います。
ほとんど同じ仕様でアメリカプロリーグNFLを題材にした人形が他社から「リルプロマスコット」名義で発売されていたようなので、ブルマァクもそうした生産ラインに委託したのかもしれません。
 
とはいえ、なぜブルマァクがこのような商品の発売に乗り出したのでしょうか。
 
 

 

  

これは小学館の小学四年生1976年3月号より、文房具プレゼントのページです。
 
男児向け文具はアメフト関連商品で占められています。
この企画の商品協力は発売会社ではなく「伊勢丹」となっており、当時の伊勢丹の文具売り場には各社から発売されたこうしたアメフト商品が並んでいたものと想像されます。
 
 

なお、この記事ではアメフトでなく「アメラグ」と表記されています。
もともと英国発祥のラグビーがアメリカで独自に進化して別のスポーツとなったのがアメリカンフットボールということらしいですが、当時はラグビー、アメラグ、フットボール、アメフトなどの言葉が明確な区別なく混同されていたようです。
 
ダイアポロンの放送開始はこの記事から2ヶ月後の76年4月です。
ざっくりと半年前から企画が本格始動したと考えると、75年後半ころにはアメフト人気が認識されていたと考えられます。
 
 

 
1974年初夏、当時人気のアイドルグループ・フィンガー5が「恋のアメリカン・フットボール」という曲を発売しており、同年の夏休みには頻繁に耳にしたように記憶しています。
いわゆるスポ根的な文脈から離れて、ファッションとしてアメフトを楽しむ動きはこのあたりから始まったのでしょうか。
 
 

75年10月から放送の少年探偵団では、メンバーのひとり「ガッツ」がアメフト選手のユニフォーム姿です。
 

画像はポピー製の台紙玩具「少年探偵団BDセット」より。
 
 

また、当時放送中の秘密戦隊ゴレンジャーでは、76年3月下旬から必殺技がアメフトスタイルの「ゴレンジャーハリケーン」となっています。画像は小学館のてれびくん76年8月号より。
スポンサーのポピーは隊員ヘルメット販促企画としてハリケーンボールプレゼントキャンペーンを実施しており、子供がアメフトのようにハリケーンボールで遊ぶCMも制作されました。
 
 

こちらは当時のクローバー玩具に封入されたリーフレットより。
アメリカ学生リーグNCAAの認可を得て、雑貨などさまざまな商品が発売されています。
 
 
以上のように1975年ころから児童間でアメフトの人気が高まって、映像作品に影響が表れたり、雑貨や文具などの商品が各社から発売される状況になっていたようです。
ダイアポロンにアメフト要素が導入されたことやブルマァクが従来にない植毛人形の発売に乗り出した理由はこうした背景によるもの考えることができそうです。
 
 

 

 
ダイアポロンの原作漫画「銀河戦士アポロン」にはロボットが出てこないことがよく知られていますが、アメフトというモチーフもアニメ化に際して導入された新要素です。
主役ロボのデザインがアメフト選手をモデルにしていてボール型の武器を使用するほか、少年たちがメカに搭乗する際のユニフォームもアメフト選手そのものです。
 
 
ただしアポロン星やキーエナルジーなどの設定を原作から受け継いだ物語のなかで、アメフトという要素はいかにも唐突です。
グレンダイザー搭乗時に宇門大介がデュークフリードに変身するのは必然性がありますが、スペースクリアー搭乗時にタケルがアメフトユニフォームに変身することには物語上の意味はなにも見出せません。
 
原作サイドからすれば、合金玩具を売るためにロボットや戦闘機を持ち込まれたあげく「流行してて子供の興味を引きそうだから」というだけの理由で何の関係もないアメフト要素まで入れられたのは、決して気持ちのいいことではなかっただろうと想像されます。
 
現在、ダイアポロンの関連商品が世に出ないのは「原作者の許可を得るのが困難なため」との風評がありますが、無神経で強引なアメフト要素の導入もそうした状況に至る原因のひとつなのでしょうか。
 
 

 
 
なお、ダイアポロンの映像は現在ほとんど視聴できない状況なので作品内容についての確認ができません。
今回の記述には誤解や間違いが含まれる可能性があることをご理解ください。
 
 
以下は蛇足です。
 

上記のクローバーのリーフレットに掲載されているN合金カレッジ・エースの現物がこちら。
画像はスタンフォード大学カージナルス。
 

全身が金属製で意外なほどの重量感がありますが、関節構造が単純なため台座なしにはほとんど自立できません。
 

パッケージの写真はなかなかいい感じですが、こんな状態で固定してのディスプレイは不可能です。
説明文から、子供向け玩具というよりやや高い年齢層を対象とした雑貨のような位置付けを狙った商品だったようです。
 
 

金属製で未塗装の頭部は当時人気のミクロマンを思わせます。
ただし髪型はなぜか横分けで、少年サイボーグによく似た造形になっています。
アメリカの大学生が七三分けというのは、どうなんでしょう……
 
 
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[ 2015/04/27 02:38 ] 暫定 | TB(0) | CM(21)

No title

「アメラグ」「ナウな」
そういう言葉、有ったなあ

今使ってるネットスラングも、既に結構入れ替わってますモンね~

昔、アメフトのヘルメット型の鉛筆削りもってたな~
[ 2015/04/27 09:07 ] [ 編集 ]

No title

ミニサイズのダイアポロン、3体のアポロン・ロボット、そしてヒドー隊長のソフビを含めた8体セットの台紙で発売されていたものです。20年以上昔に下北沢で見た覚えがあります。
[ 2015/04/27 14:01 ] [ 編集 ]

No title

意地悪な見方をするとダイアポロンはライディーンを模倣(大いに参考にした)したイメージがあります。
五郎の声が荒磯ダンと同じ山下啓介氏というのもあってか、UFO少年団はレッド団によく似た印象が。
ライディーンはサッカーなのでこちらは流行のアメフトで…ということなのかも?
[ 2015/04/27 14:24 ] [ 編集 ]

No title

フィギュアでは茶髪になっているので、チョコ松っぽくないような~。
この当時の玩具にあれこれ言うのはナンセンスですね(苦笑)。スミマセン。

クローバーはザンボット3の前に合金トイを発売していたんですね!
それだけ当時は合金トイが流行っていたのかが分かる逸品ではないでしょうか。
体型のアンバランスさがアメフトのユニフォームみたいで味がありますね。
[ 2015/04/27 21:20 ] [ 編集 ]

No title

> ごんちゃっく様
懸賞の文具のデザイン、いいですよね~

わたしは1975~76年ころのデザインセンスに妙に心ひかれます。
このころのミクロマンのシールのデザインなども同じセンスを感じて好きなんですよ。
[ 2015/04/27 22:11 ] [ 編集 ]

No title

> へてかるぴ様
アメフトの雑貨ではヘルメットが主役という感じですね。
わたしも小さなキーホルダーみたいなヘルメットを持っていました(^^
[ 2015/04/27 22:14 ] [ 編集 ]

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> kr9*2*様
情報ありがとうございます!普通の台紙セットだったとは意外です。
人間キャラ以外はいつもの造形タッチのミニソフトということですよね?

ダイアポロンのミニやミドルのソフト人形は造形のバリエーションと販売形態の多様さがすごすぎて、全容を把握できていません。種類の多さに、ちょっと異常なものを感じています。

いしずき氏が「外部株主制を導入したせいで末期のブルマァクはそうした勢力の食いものにされていた」と述懐されていますが、ダイアポロンの商品乱発の異常さはそのあたりと関係しているのでは、と想像しています。
[ 2015/04/27 22:25 ] [ 編集 ]

No title

>ライディーンを模倣
乱暴に言えば、このころのロボットアニメ(の一部)は超合金の二匹目のドジョウを狙ってわけもわからず参入した玩具メーカーの宣伝フィルムだったと思います。
そもそも、真面目に作品作りに取り組もうという姿勢があったのか疑わしい例も散見される気がします。

富野氏は「アニメの仕事のなかでもロボットものは最底辺だった」と述べておられますし、そうしたジャンルに本気になった結果ガンダムが生まれたのですよね。
[ 2015/04/27 22:42 ] [ 編集 ]

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> yu-ta様
たしかにゼッケンがないとチョコ松には見えないですね~
でもタケルとミキも、やっぱりそれとわからないような出来なんですよ(^^;、
[ 2015/04/27 22:49 ] [ 編集 ]

No title

そういえば、ある時期からアメフトの商品、みくに文具でも増えていきました。急に思い出しました。アメフトの楕円カラーボールもありましたよ。
[ 2015/04/28 00:03 ] [ 編集 ]

No title

「欽ちゃんのコント事典」凄く読みたい(笑

私は再放送(82年頃)で初めて観ましたが、そういう時代背景があったんですね。
アメラグ鉛筆削りは兄の勉強机に置いてました。
おぼろげですが記憶に残っています。
[ 2015/04/28 20:11 ] [ 編集 ]

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> tag*m*dai様
文具店はアメフト商品の最前線だったでしょうね。
アメフトのボールは普通にはずませることができないから、実はたいした遊びはできなかったんじゃないでしょうかね~
[ 2015/04/28 22:54 ] [ 編集 ]

No title

> メロウリンク様

「欽ちゃんのコント事典」は別冊付録なので、残念ながら手元にないです(^^
[ 2015/04/28 22:56 ] [ 編集 ]

No title

ダイアポロン商品の乱発はブルマァクのシェア確保の手段だったのかもしれません。気付いていたかどうかは分かりませんが、ミラーマンの轍を踏んだような…
異常と言えば同時期のポピーの商品がすごいです。提供番組が週に10本以上とか他には出来ないことです。
超合金、ポピニカ、ジャンボマシンダーはともかく、台紙玩具もとんでもない数になってますね。
[ 2015/04/29 13:03 ] [ 編集 ]

No title

ポピーは急拡大の度合いがすごいだけで、個々の商品展開自体は真っ当だと思います。
ダイアポロンも商品展開の全体像は変ではないけど、10センチ前後のソフト人形だけがおかしい。

通常この種の商品は、上下2パーツのミニサイズとそれよりやや大きく腕も稼動するタイプの2種類つくられるパターンが多いと思いますが、ダイアポロンでは同一キャラクターの同じようなサイズ・同じような造形タッチの人形を2体セット、4体セット、台紙パック、ケース入りセットなどの商品ごとにわざわざ作り起こしていて、その種類が膨大です。

間違い探しのようなレベルの商品をいくら並べてもその分売り上げが上がるはずがないし、原型・金型・台紙イラストなどの経費もかかるはず。

ミラーマンは人気の読み違えとニセモノ撲滅目的の増産が重なった悲劇ですが、さすがに人形のサイズと価格帯による商品特性の区別はきちんとしていました。
ミラーマンのころは企業体力もあったけど、経営状態の悪化していたダイアポロンの時期になぜこんな無駄なことをしているのか…
[ 2015/04/29 23:39 ] [ 編集 ]

No title

(つづき)
商売としての落としどころを無視して、種類を増やすことそれ自体を目的化しているように思えて、謎なのです。


長くなって文字制限を越えてしまいました(- -
[ 2015/04/29 23:41 ] [ 編集 ]

No title

10数年ぶりに「マルサン・ブルマァクの仕事」を読んでみましたが、昭和50年頃にはもうブルマァクは末期的症状だったみたいですね。
ソフビ人形の乱発はアクマイザー3(裏番組)でも同様だったみたいです。しかし、この本、年ごとのブルマァク代表的商品をリストにしてるのですが、どうにも信頼性に欠けるような…
個人的には「ジャンボキャシャーン 1980円」が気になりました。ジャイアントサイズ(50センチ前後)のソフビと思われますが…
ダイアポロンの版権ですが、80年頃のサニーからのブルモデル再版だと「じんプロダクション」のみの表記で、雁屋哲の表記はありませんでした。
来月17日よりスカパー!のAT-Xでダイアポロンが開始されるのですが、AT-XのHP内の表記は「雁屋哲 エイケン」となってます。
CS放送も15年ぶりくらいですが、ダイアポロンがより多くの人の目に触れる機会が訪れたのはめでたいことです。
スタッフは結構豪華なんでアニメ番組としてのクオリティは同時期のガイキングやコン・バトラーに劣るものではありません。秀でてもいませんけど(笑)
[ 2015/07/04 13:52 ] [ 編集 ]

No title

ダイアポロン、放送が可能なら商品化にも進展があるといいですね。
ごんちゃっくさんが作っている完全合身モデルを、どこかのメーカーが買い取ってマスプロ製品化してくれないかと思っています。

「マルサン・ブルマァクの仕事」は、両社の概要をまとめてくれたことには発売当時には小さくない意義があったと思います。
ただし素人の筆者による勝手な想像や事実誤認も含まれていて、いしずき氏がのちにまったく異なる事実を語っている場合もあるので、それなりの留保が必要な部分もあると思います。
特に商品リストは、情報の乏しかった当時としては貴重なものでしたが、現在では参考程度にとどめるのが適切かもしれないですね。
[ 2015/07/05 11:29 ] [ 編集 ]

No title

相変わらずファイヤーマンソフビはブルマァク発売とか、マッハバロン商品が昭和51年に集中してたりと、まあ腹は立ちませんけどね(笑)
ただ、鋼鉄ジーグソフビとゼンマイ歩行がブルマァク製品ともありますが、これはブルマァクが仲介して下請けを世話したのもと考えてしまいます。サンゼンって仮面ライダーゼンマイ歩行を発売していたエンゼルのことかな?等疑問は果てしなく湧いてきます。
[ 2015/07/05 13:32 ] [ 編集 ]

No title

ジーグのミサイルソフトのギミック部品はブルマァクと同じ部品が使われていて、社標の牛の部分だけが消されているようです。
ブルが直接販売した事実はなさそうですが…
[ 2015/07/06 10:02 ] [ 編集 ]

当時田舎の子どもだった自分にはピンと来ていなかったブームが、
事象のピースを継ぎ合わせることで 見えて来ました…!
でもダイキャストのヘルメットキーホルダーは持ってたなぁ。(※ザンボット以前のクローバーの存在を、今始めて意識したかもです)

TV屋も玩具屋も、ブームに乗っかりまぜこぜにする事に何ら違和感を感じず、展開カテゴリーも野放図…
…という中でのダイアポロンのデザインは、実は奇跡的カッコ良さではないでしょうか。(※誰のデザインか、改めて気になる…!)


チョコ松人形もモペットぼくて可愛いですね。千代松さんの声でおしゃべりして欲しいです✨
※ファンシー者としては「小四」の懸賞グッズのデザインの数々!狂おしく可愛いですね~。 ミッフィーは当時からファンシーカテゴリーだったのか。。削除
2015/4/27(月) 午前 9:05
[ 2019/07/15 21:50 ] [ 編集 ]

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