小学館とジョーカー

小学館とジョーカー
 
 
 

 
画像は小学館の学習雑誌『小学一年生』の1972年度分です。
1972年は、前年からの仮面ライダーブームを受けて実写ヒーロー番組が激増し、空前絶後の変身ブームが巻き起こった年です。
学習雑誌でも低学年向けの『一年生』『二年生』などは積極的にヒーロー番組を扱っていました。 
 
 

『一年生』では前年度から引き続いて毎号巻頭に怪獣の写真カードが添付されています。  
 
 

当初は5円ブロマイドのような体裁でしたが、後期にはテレビマガジンやライダーカードの影響を受けてか小型のカードに変更されています。
  
 

怪獣ものを題材にした別冊付録も2ヶ月に1回程度のペースで作られており、写真を多用した見ごたえのあるものも多くあります。 
 
 

 
 

ただし本誌では同時期のテレビマガジンのようなグラビアページや詳細な企画記事などは多くはありません。
作品によっては、単色の漫画連載は確保されていても写真記事は一切無しという号も珍しくない状況で、このあたりは学習雑誌という性格上しかたないのかもしれません。
 

 

画像は12月号掲載の学習百科の扉ページです。
この自動車は、どこかで見た記憶があります。 
 
 

こちらは本文中の全体画像。『これからの自動車』の一例として掲載されています。
これは、「ロボット刑事」のジョーカーでは?
 
 

これがロボット刑事劇中のジョーカー(たのしい幼稚園のテレビ絵本43/講談社1973より・比較のため左右反転しています)。
フロント部分のイメージは似ていますが、全体像はちょっと違います。 
 
 

正解はこちらでした。
少年マガジン連載の原作漫画版のジョーカーです(サンワイドコミックスロボット刑事1/朝日ソノラマ1985より)。
全体のフォルムも細部の形状もほぼ完全に一致しており、原作のジョーカーは上記の試作車をもとに描かれているのは間違いないようです。 
 
ロボット刑事の連載・放映は1973年、『一年生』発行の翌年なので時系列は整合しています。
ただし試作車のメーカーとの連携はあったのか、映像の劇用車も本来はこの試作車の形状にしたかったのか、
などはわかりません。
 
実はこの試作車は1975年ころの子供向け百科事典に掲載されているのも見たことがあります。
そちらは発行は小学館ではなく、イラストもオレンジを基調とした別ものだったと記憶しています。 
  
こうしたことから、この試作車は1970年代前半には比較的よく知られた存在だったのかもしれません。
自動車に関してはほとんど知識がないので、こうしたことを詳しくご存知の方がいたらご教示いただけると幸いです。
追記バラフブリッジ様の情報で、トヨタEX-Ⅲと判明しました。コメント欄をご参照下さい 
 



ここで本来ならジョーカーの玩具画像を提示したいところですが、放送当時のジョーカーはいずれも入手困難です。
代わりに主人公Kの人形を掲載します。 
 

画像は放送当時のサイボーグ変身セットと近年発売されたデンボク製のソフトビニールキットです。
どちらも出来がいいですが、デンボクのキットは塗装済み版の発売を期待したいです。
 
 

これらのKは、どちらもバックルの左上が飛び出したような形状になっています。
この部分だけ左右非対称になっているのは不自然に思えて、違和感があります。 
 
 

これが劇中のKのバックル(たのしい幼稚園のテレビ絵本41より)。
たしかに赤いパーツが左上に飛び出ているように見えますが、むしろ赤いパーツ自体は左右対称で、「K」のパーツが斜めにずれて貼られているのではないでしょうか。
  

ロボット刑事は、放映前の最初の撮影会ではベルトのバックル形状は「J」でした(画像は最新版ヒーローロボット大百科/ケイブンシャ1977より)。
その後デザインが「K」に変更され、クランクインまでに慌ただしくベルトの改造が行われたと想像されます。 
 
Kのバックルが左右非対称に見えるのは、時間に追われた当時のエキスプロの造形スタッフが不注意でパーツを斜めに貼り付けてしまったのが真相のような気がします。
タカラやデンボクのベルトの造形は、原型師による善意の曲解の結果なのかもしれません。
  
 
スポンサーサイト



[ 2013/07/08 01:07 ] 書籍・雑誌 | TB(0) | CM(6)

No title

今回の考察、…面白過ぎです!!
TV版ジョーカーは、ライジンゴーからの流れで、ポピー発のデザインが採用されたらしいですが、実際の現場的には
「石森先生からオーダーが来たあのコンセプトカー、聞いてみたらタイアップはムリだってよー」
「仕方ない改造車でカンベンして貰おう。先生に納得頂けるデザイン画……誰だっけあの、ライジンゴー描いたヤツ?」
なんて会話が交わされていたらと妄想すると、ワタクシは(村上ファン的に)ワクワクしてしまいます…!

「バックルの歪み」の推察もスゴイ説得力です!
幾十年の時を隔てて、別の原型師が同じ誤りをおかす数奇!手掛かりは謎の名前「J」!

(そういえばジョーカーも「Jのクルマ」っていう由来でしたね…。)
[ 2013/07/08 20:48 ] [ 編集 ]

No title

コンセプトカーまんまですね(^^;)
バンダイのジョーカーは箱絵地味と思うんですけど、トップクラスで市場にでませんね。昔あったのですが、トレード出しちゃいまして、今は持ってません。アオシマ版は、すごいデカ箱ですね。
[ 2013/07/08 22:34 ] [ 編集 ]

No title

ごんちゃっく様

おもしろいと感じていただけると嬉しいです。

こうした記事の作成は、あっちの絵本、こっちの雑誌、といろいろ資料探しがタイヘンですので…
[ 2013/07/08 23:45 ] [ 編集 ]

No title

tag*m*dai様

バンダイのジョーカーは現物未見なので、一時期とはいえ手元にあったのは羨ましい限りです(^^

私は当時アオシマのゼンマイ版ジョーカーを買ってもらいました。
キャラクターものというより自動車として設計されていたようで、完成後に遊んでいてすぐに壊れてしまったのをよく憶えています。

むしろ付属のKの立像がとても気に入っていて、本編でブローアップ後には赤く塗り直したほどでした(^^
[ 2013/07/08 23:54 ] [ 編集 ]

No title

はじめまして。
試作車のほうは、トヨタEX-III(ギリシャ数字の3)で,1969年の東京モーターショウに出品されました。
一方、ジョーカーのほうはトヨタ・スポーツ800('65~'69)の改装ですよね。
ジョーカーの改装に同じくトヨタのセリカのボンネット部のパーツが使われてたり、興味深いですね。
[ 2013/07/26 00:34 ] [ 編集 ]

No title

バラフブリッジ様

詳しい情報をありがとうございます。画像検索で実車写真を見ることが出来ました!
まさにスーパーカーと呼ぶべきかっこよさで感激です。
1960年代後半に発表されたトヨタのコンセプトカーは、現在でも通用するすばらしいデザインだったようですね。

劇中のジョーカーが通称ヨタハチの改造というのも初めて知りました。

お読みのみなさまも画像検索をお勧めします!
[ 2013/07/26 19:58 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://pazulumo.blog.fc2.com/tb.php/146-0fa40e6b