コンバトラーVのリタッチ

コンバトラーVのリタッチ
 
 

前回取り上げたバンダイボックスアートコレクション小松崎茂は、キャラアニでのセールがまだ続いているようです(2011.4.15現在)。

 

この画集に収録されているビッグ・コンバトラーVの原画には、気になる点があります。
 
 

こちらは当時発売された実物の箱画像(電撃ホビーマガジン2010年6月号より)。
両者を見比べると、微妙な違和感が生じないでしょうか。
 
 

並べてみると、胸部と腹部をつなぐ断面の色が異なっているのがわかります。
脚部の質感表現も、当時の箱絵は塗り分けているのに対して収録原画はエアブラシになっています。
他にもバトルクラフトや超電磁ヨ-ヨーなどに細かく手が加えられているようです。
なぜこのような差異が生じているのでしょうか。
 


実はビッグ・コンバトラーVの箱絵は、1981年」ころに再版されたジョイントモデルに流用されたことがあります。
この再版では画像の三つとガイキングの計4種が白の単色成形で発売されました(ガイキングは倉庫の奥にあるので今回は発掘できず)。
 

これらのうちグレンダイザーとガイキングの箱絵は描き下ろしで、ライディーンは同時期に再版されていた700円プラモの箱絵が兼用されました。
コンバトラーVだけはなぜか過去商品の箱絵が流用されて小松崎茂の絵になっていますが、この頃はガンプラブームでエアブラシ画が主流になっていたため、最低限の画調の統一をねらって部分的にブラシでリタッチしたのではないかと想像されます。
 
 
こうした処理は印刷段階でも可能なのだろうと思っていましたが、画集に掲載の図版を見ると原画に直接手を加えてしまったようで、残念です。
リタッチ部分の色調などを見ると小松崎本人による修正とは考えにくく、原画に他者の手が入ってしまったのだとすればなんとももったいないことだと思います。
 
なお、画集ではこの点にまったく触れられていないのですが、なんらかの注記や説明は必要だったのではないでしょうか。
 


この画集は他にも不備や不手際が目立ちます。
画像は仮面ライダーの掲載ページですが、せっかくの原画が本の綴じ目にかかってしまっています。
絵を横にレイアウトすれば同じサイズでも綴じ目にかからず掲載できるのに、そうした工夫は見られません。
書籍として縦方向のレイアウトに統一しているなら仕方ないとも思えますが、コスモゼロなどは横レイアウトで掲載されているので理解に苦しみます。
 

 

こちらはゲッターロボのページ。
大きく扱われているのはモーター版ゲッター1とゼンマイ版ゲットマシンの箱絵ですが、これらは1998年に再版されているので現在ではおなじみの絵です。
むしろファンが期待するのは、再版時になぜかゼンマイ版の絵と差し替えられてしまったモーター版ゲッター3や再版の無いゲッターロボ秘密基地の箱絵だと思いますが、これらはごく小さなサイズでの掲載で、ゲッター3は綴じ目にかかってしまっているというひどい扱いです。
 

この画集には過去に掲載実績の無い原画が多数収録されており、その点において必携であることは間違いありません。
しかし作品の掲載順やレイアウト、解説などには不手際が多く、書籍としての完成度は残念ながら高いとは言い難いです。
全体に「知識も愛情も無い編集者によるやっつけ仕事」のような印象が強く、せっかくの出版の機会を十全に活かしきれていないのはファンとして残念に思います。
 
 
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[ 2011/04/15 03:35 ] 暫定 | TB(0) | CM(10)

No title

昔の箱絵は味があってよいですね~
現在のリアルな感じも良いですけど、やはり漫画的で昭和タッチは懐かしさもあり魅力的です
[ 2011/04/16 09:25 ] [ 編集 ]

No title

小松崎茂氏の箱絵からは熱気や迫力とともに絵画本来の力が伝わってくるような気がします。
特にサイクロン号はかっこよすぎです(^^
[ 2011/04/17 02:44 ] [ 編集 ]

No title

私もpazulumoさんの意見に大賛成です。
再販や掲載実績のない(そして今後も望めそうにない)『アイアンキング』や『サンダーマスク』の図版がまとめて小さく扱われていたのには少なからず失望させられました。
まぁ、貴重な原画の数々が一冊の画集として纏められたこと自体を素直に喜ぶべきかもしれませんが…。
個人的には『梶田達二原画集』の上梓も、密かに期待しているのですが…。
[ 2011/04/17 06:18 ] [ 編集 ]

No title

梶田達二氏の仕事は膨大で、ブルマァク末期のダイアポロンのプラモなどにも魅力的な絵がありますね。
原画はご本人の手元にはほとんどないらしいですが、箱の複写という形でもいいからキャラクタープラモの箱絵をまとめてほしいと思います。
[ 2011/04/17 15:43 ] [ 編集 ]

No title

記事、紹介させていただきました~(^。^)
実物、でかくて、パッケージデザインもバランスよく、
「これは欲しい!」と言わせる逸品でしたよ。
[ 2011/04/29 14:10 ] [ 編集 ]

No title

tagamedai様、いつもありがとうございます!
ビッグボルテスは何度か見ましたが、コンバトラーは実物未見です。

写真拝見しました、ふたつ並ぶとすごいですね!
電動カネゴンの巨大さも再認識しました(^^
[ 2011/04/29 21:59 ] [ 編集 ]

No title

tagamedaiさんのところでこちらの記事の存在を知った者です。
造詣は一切ない素人ですが^^;大変楽しく拝読致しました。
自分は多少絵心もあり、油絵なんかも描いてた事もありますので、
もし仮定したとおり、原画に別の人間が手を加えてしまったんだと
したら非常に残念な行為ですし、初めに描いた側からすると腹立たしい
話です。
また画集の方も、確かに絵の配置が酷すぎますよね。せっかく掲載
してもちゃんと見れないし。
[ 2011/04/30 22:36 ] [ 編集 ]

No title

路じうら小僧様

当時の箱絵は依頼社の買い切りだった可能性があるので、その場合バンダイが勝手に手を加えたとしてもただちに批判されるべきかどうかは微妙なところですね。

あるいは小松崎氏に修正を依頼したものの「そっちで勝手にやっといて」と言われてしまい、結果として他者がリタッチしたようなケースも考えられるかもしれません。

この記事はいちファンの立場で知りうる情報からの推測にすぎませんし、事実は直接の関係者にしかわからないということもご理解下さいね。
経緯はどうあれ、原画がオリジナル状態を留めていないのは残念なことですが……
[ 2011/05/01 02:02 ] [ 編集 ]

No title

「そっちで勝手にやっといて」が、正解のような気がしますね(^^;)

今度、叔父さんに聞いてきます。
[ 2011/05/02 10:54 ] [ 編集 ]

No title

おお、上田信氏は近い立場にいらっしゃった関係者ですもんね。

機会があればよろしくお願いいたしします。
[ 2011/05/03 12:06 ] [ 編集 ]

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