ライダー百面相

ライダー百面相
 
 
 

 
『仮面ライダー』は2年近くにわたって放送された人気番組でした。
主役キャラクターのライダーは演者の交代や路線変更などによってさまざまなマイナーチェンジが繰り返されており、当時の関連商品にもその影響が現れています。
    
今回はバンダイ製のソフト人形でその変遷を概観してみます。
なお、使用しているマフラーはいずれも代用品です。   
 

スタンダード その1
 

1971年7月ころ発売されたスタンダードサイズソフト人形。
玩具業界誌に掲載された新発売告知広告には旧1号の写真が使用されており、開発の参考にされたのは旧1号だったようです。
そのため暗緑色のマスクに玩具的な華やかさを加える意図か、ヘルメット部がシルバーに塗装されています。
 

ただし発売されたころには作品の主役は既に2号になっており、ヘルメット部とクラッシャーの色彩が反転したように見えるこの彩色は当時の児童に違和感を与えることになりました。              
 
 
スタンダード その2
 

番組の人気とともにヒット商品になって生産が追いつかなくなったころに新たに投入されたと思われるタイプ。
通常は同一商品の増産は生産型(参照)を増やすことで対応する筈ですが、なぜかすべてのパーツが原型から新造されており、各部のディテールはキングサイズ人形と同じになっています。
従来とはまったく異なるラインで生産されていたのかもしれません。  
 
 

最初のタイプよりもリアルな造形で、撮影用マスクの印象に近くなりました。
その分、おかしな塗装が残念に思えます。
                        
 
スタンダード その3 
 

マスクが青成型になり、シルバー塗装が2号を再現するような塗り分けに変更されたタイプ。
初期と同じ緑成型の上から青でくるみ塗装している個体も存在しており、マスク成型色の変更は緑→青の順だったことが確認できます。
個人的には71年10月ころに初めて青マスク版を目にしたような記憶があります。
なお、上記の新造形タイプにも青マスク版が存在しています。 
   
   
スタンダード その4        
    

ベルトが赤成型に変更され、タイフーンがブリキ製になったタイプ。
画像の個体はブーツも硬質な新パーツになっており、体側に白の一本ラインがあります。
生産時期は青マスク版より遅いと思われるのですが、なぜかマスクの塗装が初期状態にもどっています。
なお、新造形版ではこのブリキベルトタイプはまだ見たことがありません。  
   
 

どのタイプにも共通して言えることですが、体側のラインは
   無し/一本・塗装のみ/一本・低いモールドあり/一本・高いモールドあり/塗装二本・高いモールド一本あり
などのさまざまなタイプが混在しているようです。   
     
ただしブリキベルトタイプではライン無しは見たことがなく、逆に二本ラインの新1号はブリキベルト以外は見たことがありません。        
また、ブーツも軟質版と硬質版が各タイプに混在しているようです。   
    

キングサイズ その1        
   
 

36センチほどの大きな人形で、初期タイプはマスクは取れません。
本編中のライダーとは大きく印象の異なる独特な造形・色彩です。
試作段階では撮影用マスクに忠実だったものが、なぜか漫画を思わせる造形に変更されてしまったようです。(参照)                                                                                                                                                           
キングサイズ その2      
          
     

キングサイズがマスクの取れる仕様に変更された際、新造形されたタイプ。 
ディテールは初期版と同様ですが、バランスがかなり異なっているので違った印象を受けます。
画像の固体はマスクのメタリックピンクの色調が強くなっています。    
 
 

ミドルサイズ      
       
         

仮面ライダーV3の放映時期に発売された箱入り3体セットに同梱のダブルライダー。
V3はマスクの取れる通常のソフトですが、1号・2号は自在に可動する変身サイボーグの影響か、ポーズ付きの状態で造形されています。
 

同時期のブルマァクもウルトラヒーローのポーズ付きソフトを発売していますが、バンダイのライダーは下半身が一体成型なので可動面では劣ります。   
    
    
ミドルサイズ1号
 

撮影用マスクにかなり忠実なライダー1号。鼻すじのシルバーが塗装されていないのが残念です。
画像の個体は触覚の破損を修理してあります。                                                                           
 
ミドルサイズ2号
 

造形・色彩ともキングサイズによく似ている2号。
このセットでは、1号を実写版、2号を漫画版として明確に造り分けているようです。    
       
 

体側のラインやブーツ・グラブなどはおかしな色になっています。
なお、この2体は当初からマフラーは付属していません。   
      

番外
 
 

放送当時発売されていた無版権ソフト人形。
原作漫画のライダーをもとに造形されたようで、なかなかよく雰囲気をとらえています。                                                                                                                                       
 

原作版をリアルに再解釈したB-CLUB製スタチューとの比較。
「石森っぽさ」においては甲乙付け難いという感じでしょうか。    
    
 


画像はメディコム製RAH-220DXの1号・2号バリエーションです。
 
仮面ライダーは、石森デザインの具現化という点では第1話の初登場シーンの1号がもっとも完成度が高かったように思います。
ただしアクションでの耐久性やナイトシーンでの見栄えなどの問題で徐々に変更が加えられていき、最終的には新1号がその完成形となって現在に至っています。 
同一キャラクターとは言え、暗緑色の旧1号とシルバーメタリックの新1号では大きくイメージが異なっており、石森デザインとしての純度はだいぶ薄まってしまったように感じます。
 

その後のシリーズでも、転機にあたる作品では石森色の強いライダーが登場しますが、なぜかそのままのかたちではデザインが継承されないことが多いようです。
 
原点回帰を目指したアマゾンは、途中でディテールや色彩が単純化されたスーツに変更されています。
初代のバッタに対してイナゴをモチーフにしたというスカイライダーは、後頭部の有機的な曲面やマフラーの斑紋などに同時期の玩具系ヒーローとは一線を画す魅力がありましたが、ひどく不似合いな色にリニューアルされてしまいます。
バッタ男にこだわりを見せたBlackは、RXにリニューアルされたことで結果的に存在自体が消えてしまいました。     
    
こうした事例には視聴率なり玩具の売れ行きなりの事情があるのでしょうが、石森色の強いライダーに限ってリニューアルされてしまい、オリジナルなままで現存していないのはちょっと寂しい気がします。
 
 
 

画像はメディコム製RAH-DXのスカイライダー。 
ただし前期タイプはベルトが大きすぎるので旧RAHのベルトを使用しています。
 
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[ 2013/08/16 03:06 ] ソフト人形 | TB(0) | CM(2)