オリオンのトライダーG7

オリオンのトライダーG7
 
1980年、オリオンは無敵ロボトライダーG7の廉価玩具を発売します。
ガンダムまではミニ合金が基本でしたが、トライダーではプラ製の変形合体というシリーズに変更されました。
うろ覚えですが価格も550円に値上げされていたように記憶しています。
メーカー表記はオリオンとセブンの併記で、下記3種を詰め合わせた大箱のトライダーG7 3セットも発売されています。
 
   変形合体     トライダーG7
             トライダーシャトル
 
  ゴールド合金    トライダーG7


変形合体トライダーG7。オリオンのトライダーはなぜか肩が尖っているのが特徴です。
画像の現物は白い部分と頭部は塗装が加えてあります。
 

キャタピラとジャベリンが付属、すね部分のスイッチで足裏からミサイルを発射します。
トレイは従来より深いものに変更されており、説明書は付属しません。
 

箱の各側面にギミックの説明があります。変形合体の名前通り、五つの形態を再現可能です。
 

トライダー形態。目立つ個性である胸の鳥マークが省略されているのがなんとも残念です。
変形の都合上、脚部の可動は足首のみ。武器は手首の穴に差し込んで保持できる仕様になっています。
 

トライダーコスミック。赤い部分はポリパーツで、変形による磨耗を防いでいます。
 

トライダーイーグル。先端の頭部パーツ単体ではトライダーホークと呼称します。
小サイズながら頭部にも変形ギミックが仕込まれているのは、当時としてはかなりこだわりの設計でした。
 

トライダービーグル。キャタピラパーツはこの形態のみで使用します。
 
 
同じ変形合体シリーズのトライダーシャトルは残念ながら未入手ですが、オーフィスへの変形とミサイル発射が出来たようです。
ふたつをそろえて合体させればトライダーフォートレスを再現できました。


ゴールド合金トライダーG7。従来通りの合金パズル仕様です。
 

トライダージャベリン、トライダーカッター、カード2枚が付属。
カードは直接テープで貼り付けられており、剥がせなくなってしまっています。
 

頭部が小さくスタイル良好な造形はたいへんかっこよく、現在でも遜色ありません。
 

武器は腕部に取り付けられます。金属製なので、ジャベリンは自重で下がってしまうのが惜しいところ。
 

クローバーの変形合体セットと同様、なぜか胸部に「G7」の文字があります。

トライダーG7は前番組のガンダムとはガラリと変わって小学生の日常に密着した内容でした。
こうした路線は低年齢児童に強く支持されたようで、放送途中に「乗用合体」「バードアタック」などの新商品が続々と投入されており、玩具販売は好調だったようです。
メイン商品の「ダイカスト変形合体セット」の出来もよく、初めてCMで発売日を告知した合金玩具としても印象に残ります。
 
トライダーの作品世界にはど根性ガエル+巨大ロボットとでもいうべき魅力がありますが、この方向性はのちに同じサンライズのエルドランシリーズに継承されています。
特に同シリーズ二作目の元気爆発ガンバルガーは、キャラクターの作画スタイルまでど根性ガエルを継承・発展させている面があり、こうした路線の到達点のひとつといえるかもしれません。
 
 
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[ 2011/01/16 19:41 ] チープトイ | TB(0) | CM(4)

オリオンのガンダム

オリオンのガンダム
 
1979年、オリオンは前2作に続いて機動戦士ガンダムの廉価玩具を発売します。
ダイターン3を継承したミニ合金のほか新たに動力内蔵の「ゼンマイシリーズ」が加わりました。
価格は各500円だったようで、メーカー表記はすべてオリオンとセブンの併記になっています。
ミニ合金は4点を集めた大箱セットも販売されたほか、劇場版公開時にも再生産されています。
 
ミニ合金シリーズ  ガンダム
            ガンキャノン
            ガンタンク
            ゴールド合金ガンダム
 
ゼンマイシリーズ  ホワイトベース
             コアファイター   

  

ミニ合金ガンダム。ダイターン3と同様ボディのみ合金製で腕・脚のプラパーツは取り外しできます。
説明書やシールは付属しません。
画像の現物は本放送時購入したものですが、ビームサーベルが欠品しています。 いつの間に……
 

ミニ合金ガンキャノン。ボディパーツはガンダムから流用しており、塗装で差別化しています。
オリジナルのミサイル砲が付属。
 

ミニ合金ガンタンク。こちらもボディはガンダムの流用ですが、意外に気になりません。
箱の上部に「合体できます」と書かれているのは、腕や脚、付属パーツを付け替えて遊べるという意味です。
 

箱側面の画像。
 
 

本放送当時、主役モビルスーツ3体を手軽にそろえられる玩具としてミニ合金はありがたい存在でした。
 

ガンダムとガンキャノンは平面で構成された下脚部が特徴的です。
背面にはコロ走行用の車輪があります。ザンボット3からクローバー系の合金玩具に延々と続くこの仕様は、かつてのバンダイ模型と同様に「ロボットは動かして遊ぶもの」という当時の大人の思い込みによるものなのかもしれません。
 

ガンダムはハイパーバズーカやビームスプレーガンを思わせる武器が付属。ボディのほか、なぜかシールド下部からもミサイルを発射します。
本体各部のディテールはクローバーのダイカストとほぼ同じで、マスクにスリットは無く鼻が露出しています。
 

ガンキャノンはミサイル砲とビームライフルを手首に装着できます。
ビームライフルのグリップには手首が一体造型されており、これはガンプラより先行したアイディアです。
 

ガンタンクはタンク正面からミサイルを発射可能。
 

これら3体は脚部を取り替えることで擬似的にA・Bパーツを付け替えたような状態にできるため、クローバーのダイカストバリエーションシリーズと商品内容が重複していました。
ただしバリエーションのガンタンクは単品売りがほとんど出回らなかったようなので、実際に店頭で主役3体をそろえようとするとミニ合金を選択することになる場合が多かったようです。


ゴールド合金ガンダム。画像は銅を思わせる色で塗装されていますが、ダイカストの地色そのままのバージョンも存在します。
 

ダイターン3と同様の合金パズル仕様です。
 

本体はアニメの設定に準じた形状で造形されており、放送当時の立体物としては貴重な存在でした。
ランドセルとビームサーベルの省略が残念なところ。


ゼンマイシリーズ・ホワイトベース。本体はプラ製で内蔵ゼンマイで走行します。
 

本体正面からミサイルを発射。造形・色彩ともにいまひとつ魅力が薄いようです。
 

ゼンマイシリーズは当時の生活圏では見たことがなく、画像の現物は旅先のドライブインで購入した記憶があります。
 

同シリーズのコアファイターは未入手です。フィギュア王(ワールドフォトプレス)のガンダム特集号などに掲載された画像を見ると、なぜかマッハアタッカーによく似た形状・色彩だったようです。
 


ミニ合金とゴールド合金のガンダムを比較すると各部の形状が大きく異なっています。
クローバーのダイカストやオリオンのミニ合金は、なぜ映像中と異なるディテールで造形されているのでしょうか。
 

これは放送末期にサンライズが発行した「機動戦士ガンダム記録全集1」に掲載された玩具製作用図面。
当時のガンダム玩具の多くはこれをもとにしたため、アニメ設定とは異なるものになってしまったようです。
 

こちらは放送初期のアニメージュ(徳間書店)の記事より。ガンダムはアニメ用の準備稿が掲載されており、一部のディテール・色彩が当時の玩具と同じになっているのがわかります。
 
 
もともとガンダムのデザインはスポンサーなど各所の意向を取り入れつつメカデザイン担当の大河原氏が描き上げたものです。
現在公開されている大河原版の最終稿を見ると、上掲の玩具製作用図面とほぼ同じディテールになっているのが確認できます。
こうした要素から当時の状況を時系列順に想像してみると…
 
  1 クローバーなどの承認を得た大河原版最終稿がメカデザインとしては決定稿となる
  2 大河原版が各所に配布され、玩具開発担当の部署ではそれをもとに作業を進める。一方アニメ制作現場    ではキャラクターデザインの安彦氏がアニメーションディレクターとしてアニメ用の設定を起こす作業に入る
  3 安彦氏によって大河原版のディテールの一部を変更(人間のような口をマスクで覆うなど)した設定が描     かれる
  4 すでに動き出していた玩具製作部門はあわてて安彦版の変更点を玩具に反映させる手配をする
  5 安彦氏はさらに細部を煮詰めてアニメ用設定の決定稿を描く
 
おおむね以上のような状況の流れによって、ガンダム玩具の多くはアニメと異なる形状になってしまったのではないかと考えられます。 (あくまで想像です。確定した事実ではありません) 
 


本放送当時のガンダム商品は、玩具だけでなく絵本や文具などでも準備稿の痕跡を残したものが珍しくありませんでした。画像のスケッチブックのガンダムは準備稿の色彩になっています。
 

立体玩具では、開発のスタートが遅かったものだけがアニメ用決定稿に合わせた造形が可能でした。
オリオンのゴールド合金や、画像の大里玩具製プラ玩具などはこうした例に当たると思われます。
 

画像の大里玩具のガンダムはビームライフルが欠品。 いつの間に……

    
        
 
オモチャを売りたいと考える玩具会社と、いい作品を作りたいと考える制作現場ではそもそもの目的にズレがあるため、意思の疎通が不十分だったとしても仕方のないことかもしれません。
 
マジンガーZの大ヒット以降、ロボットアニメは作品内容よりもオモチャを売ることに重きが置かれる傾向がありましたが、最低限の制約はクリアしつつも映像作品としての力でそれをねじ伏せた「機動戦士ガンダム」は、やはり特別な存在だったとあらためて感じます。
 
[ 2011/01/08 23:46 ] チープトイ | TB(0) | CM(4)