ロボットシリーズと初期バンダイ模型 その1

ロボットシリーズと初期バンダイ模型 その1
 
マジンガーZ・ゲッターロボの主役ロボットのプラモデルは前回触れたように「バンダイロボットシリーズ」の延長上で開発されたと考えられます。
 
「バンダイロボットシリーズ」とは1970-71年頃に展開されたオリジナル中心のロボットプラモデル群です。他社の金型流用の再版6種と新規開発の3種、計9種が発売されました。
具体的なラインナップは以下の通りです。
 


 
  鉄人28号(電動・今井科学1960年発売の再版)
  ザ・ミサイラー(電動・今井科学1965年キャプテンパトロール再版)
  ガードマンロボット(電動・今井科学1964年パトロールロボット再版)
  アタックボーイ(ゼンマイ・今井科学1964年ベビーサンダーボーイ再版)
  ハリハリ(電動・今井科学1968年ジャングルプリンス/デストロイヤー再版)
  ハーキュリーズ70(電動・小暮模型1964年サイボーグ再版)
 
以上が再版6種。以下3種が新規分です。
 

 
  スパークボーイ(ゼンマイ)
  リキシーボーイ(ゼンマイ)
  リベットボーイ(ゼンマイ)


当時のカタログに掲載された完成品。向かって左からハリハリ、鉄人28号、ザ・ミサイラー。
 

ガードマンロボット、アタックボーイ、スパークボーイ、リキシーボーイ、リベットボーイ。
(なおハーキュリーズ70の完成品は「コグレ サイボーグ」で検索すると見られます)
 
完成品画像をよく見ると、スパークボーイとアタックボーイ、リキシーボーイとガードマンロボット、リベットボーイとザ・ミザイラーは下半身と腕部の形状がよく似ていることがわかります。
新規分3種は先行分の廉価版バリエーション的な位置付けだったようです。
 
先行分6種の初発売はほぼ1960年代前半に集中しています。当時はブリキのロボット玩具の全盛期で、これらのプラモもブリキロボットのデザインやギミックの影響が強く感じられます。
 
キャラクター作品においては1960年代後半から70年代はじめにかけてウルトラマン・仮面ライダー・マジンガーZといった革命的なキャラクターが登場しますが、これらのプラモデルはそうした感性とは無縁の存在で、素朴な雰囲気が濃厚です。
これら「ロボットシリーズ」路線と同じ手法で開発された経緯を考えると、マジンガーやゲッターのプラモがキャラクターイメージにそぐわない出来だったのは当然かもしれません。

また、「ロボットシリーズ」にはキャラクターロボットの「鉄人28号」と「ハリハリ=デストロイヤー」が含まれていることも注目されます。
 

 
デストロイヤーは知名度が低いので別としても、有名ロボットの筆頭格だった鉄人28号までがオリジナルロボットと同一の扱いなのは違和感があります。(画像の鉄人は1986年頃の再版を仮組みしたもの)
 

 
「バンダイロボットシリーズ」のチラシには先行6種がロボット軍団として活躍するショートストーリーが掲載されていますが、鉄人も同じ世界観の中で登場しています。
当時のバンダイ模型は鉄人固有の作品性を重視せず、「オモチャ的な動くプラモ」としてひと括りに扱っている印象があります。
 

 
マジンガーZのプラモデル開発も、鉄人のケースと似たような扱いで進められたのではないでしょうか。
二つのプラモを並べてみると極めてよく似ており、発売時期に13年もの差があるとは思えません。
 

 
マジンガーZ以前のバンダイキャラクタープラモは比較的リアルで良好な出来のものが多く、マジンガーやゲッターにおいてもパイルダーやゲットマシンはイメージをよく再現したものになっています。
作品の主役である「人間型キャラクターロボット」だけがオモチャ然とした扱いで開発されてしまったのはなぜなのでしょうか。
 
(続きます)
スポンサーサイト



[ 2010/03/31 01:41 ] ジョイントモデル以前 | TB(0) | CM(5)

ミニ ゲッター1・2・3

  ミニ ゲッター1・2・3                                         
                                     

ゲッターロボは電動プラモ(各900円)に続いて半タンク形体・ゼンマイ動力のミニゲッター1・2・3(各350円)が発
売されました。
前年(1973)には同じ仕様の「ゼンマイ動力マジンガーZ」が発売されており、ミニゲッター3種はこれを踏襲したラインナップです。
 

ゼンマイ動力マジンガーZの完成見本(フィギュア王NO.17/ワールドフォトプレス刊 より)。
ジェットスクランダーの造形から放送途中で追加投入された商品ということがわかります。その後「ミニグレートマジンガー」に金型改修されたようです。

        


 

 

 

 
ミニゲッター3種の箱画像。側面のラインナップ紹介から、グレートマジンガー商品の展開が始まってからの発売だったことがわかります。
ゲッターとグレートの商品開発スタート時期はかなり近接していたようです。
 

 

ミニゲッター1のパーツ全容。イーグル号と腕部を構成するランナーのみがオリジナル部品で、ほかはゲッター2・3と共用しています。
 

ミニゲッター2完成品。半タンク型のスタイルは映像イメージとは遠くかけ離れています。
 

ボディ右側面にゼンマイ部が露出します。本体パーツは腕部以外はゲッター1の成型色替えです。
 

ミニゲッター3完成品。画像の個体はジャガー号後部が未塗装のままです。
 

ゲッター1・2と共通のボディの下部にジャガー号のパーツを付ける構造です。
ただし胸部前面にイーグル号のモールドがあるため、金型自体は別ものが使用されています。
 

ゼンマイ動力マジンガーZとミニゲッター3種は、「人間型」という最低限のキャラクター要素さえ無視されたなんとも微妙なシリーズになっています。
このような商品構成になったのは、これらが既存のプラモデルの金型改修品だったためです。


このころキャラクターものプラモデルは主に「マスコミシリーズ」というカテゴリーで展開されていましたが、それ以前にはオリジナルロボット中心の「バンダイロボットシリーズ」というラインが存在しました。
「ロボットシリーズ」は他社の金型を流用した再版プラモ6種とバンダイオリジナルの3種で構成されており、新規開発分は上画像の「スパークボーイ」「リキシーボーイ」「リベットボーイ」です。
 

当時のカタログに掲載されたオリジナル3種の完成品。
赤い「スパークボーイ」は「ミニゲッター」に、青い「リキシーボーイ」は「ゼンマイ動力マジンガーZ」に、それぞれ金型改修されたのがわかります。
 
バンダイ模型はマジンガーZやゲッターロボで「人間型キャラクターロボット」をプラモデル化するにあたり「バンダイロボットシリーズ」の延長で商品内容を決めていたと思われ、その結果がキャラクターイメージと著しく異なる商品群となってしまったようです。
その意味で「ロボットシリーズ」は興味深い存在なので、次回もう少し詳しく取り上げてみます。
[ 2010/03/19 01:07 ] ジョイントモデル以前 | TB(0) | CM(5)

電動ゲッター1

電動ゲッター1


マジンガーZは1973年秋ころから実写ヒーローと入れ替わるようにしてブームとなりました。
それを受けて翌74年春に同じダイナミック-東映動画ラインの「ゲッターロボ」がスタートします。



画像は当時品で一部破損のあるゲッター1と再版品を仮組みした状態のゲッター2、ゲッター3。
これらはマジンガーZに続いてバンダイ模型が開発した電動のキャラクターロボットプラモデルです。


当時の子供が組み立てたと思われるゲッター1。


腕の形状などは設定デザインに近づいていますが、ギミックの制約を受けたスタイルはマジンガーZと大差ない印象です。


イーグル号の合体による起動やパンチ発射ギミックも基本的にマジンガーと同じ。


四角い足は文字通り「電池ボックス」そのものです。


マジンガーでは壊れやすかったパンチ発射スイッチは板状のパーツをスライドさせる方式に改良されています。


この部分は後期生産分からはバネを上腕部に移し、凸部付きのパンチを押し込むかたちに変更されました。より単純なこの構造はグレートマジンガーにも継承されます。


画像の個体は成型色をいかして最低限の塗装のみ加えてありますが、1970年代の子供にとって「プラモデルをちゃんと完成させる」ことはこのような状態を意味していました。
当時の多くの子供はプラモデルを入手するだけでもたいへんで、キャラクターに応じて塗料を買い揃えるなど夢のまた夢。合わせ目消しやエアブラシ塗装など考えもつかないという時代でした。

画像のような部分塗装にしても初心者用の入門セット(10色程度の小瓶塗料と筆・薄め液・塗料皿のセット。レベルカラー版とマルサンプラカラー版があった)を使うのがせいぜいだったと思います。



ゲッター2はスマートなスタイルの再現に意欲的に取り組んでいますが、内蔵ギミックの制約は如何ともし難く、残念ながら中途半端な形状にとどまっています。


基本構造はゲッター1と同じ。パワーアーム・ドリルアームは着脱可能でオリジナルのミサイル発射装置に換装できます。この機構には変身サイボーグ1号の影響が感じられます。


ゲッター3はデザイン的にギミックの制約が最も少ない筈ですが、ベアー号の分離にこだわったことと不自然に細いキャタピラのため、いまひとつちぐはぐな印象になっています。


ベアー号上面に四角いモールドが無いのは残念。ジャガー号機首にはミサイル発射装置がありますが画像では組んでありません。



こちらは初版のゲッター2。印象的な濃い水色の成型色が再版では再現されなかったのは残念でした。


ゲッターロボの放送開始は74年4月ですが同じころテレビマガジン(講談社)では「マジンガーズクラブ」というマジンガーZファンクラブがスタートしており、グレートマジンガー頭部が図案化されたトレードマークが3月には公開されています。


グレートの初登場は同年7月の東映まんがまつり、テレビシリーズの放送開始は同年9月ですがデザイン自体はこうしたスケジュールよりかなり早い時点で完成していたことがわかります。おそらくプラモデルの開発も通常より早くスタートしていたと思われ、ゲッターとかなり近接していたのではないでしょうか。

もともとグレートの登場は「マジンガーZ商品はひと通り売りつくしたから次の商売のためにキャラクターを一新してほしい」という玩具会社の要請によるものだったそうです。
同様にゲッターロボの企画にも「マジンガーZがこんなに売れるなら、ロボットを3体にすれば3倍儲かるだろう」という思惑があったそうです。

マジンガーやゲッターはスーパーロボットの元祖とされていますが、このころすでにスポンサー側の企画への介入が始まっていたことは留意しておきたい点です。
[ 2010/03/09 03:47 ] ジョイントモデル以前 | TB(0) | CM(0)

ジャガーライダー


講談社のテレビマガジン1974年8月号。裏表紙のタカラ「サイボーグジャガー」の広告におもしろい情報があります。


変身サイボーグ1号用の「サイボーグライダーオートバイセット」にサイボーグジャガーを組み込む「ジャガーライダー」。
この組み合わせ例は「サイボーグライダーフルセット」の箱とこの広告にしか掲載されていないようです。
ジャガー自体の箱や該当時期のブックレットにも記載が無いことから、ジャガーの設計段階では想定されておらず、製品の完成後に「やってみたら出来ちゃった」という組み合わせだったのかもしれません。


実際にやってみると、前輪の固定時にやや負荷がかかるもののほぼ無理無く組み立てられます。
ただしヘッドライト兼用のマスクは収まりきらず、ジャガー頭部の途中までしか入っていません。おそらく見本写真も同じ状態だと思われます。


テレマガ広告のようにジャガーは少年サイボーグとの組み合わせが推奨されていましたが、この場合はいまひとつサイズが合わないようです。


一方サイボーグ1号を乗せてみるとぴったりの大きさ。



本来サイボーグライダーには1号が組み込まれるので乗ることはありえないのですが、ジャガーライダーならつじつまが合います。


1号がバイクに乗った姿には変身ブーム時のヒーローらしさが感じられてちょっと新鮮な印象です。


サイボーグジャガー関連でもうひとつ。
以前の記事でジャガーと大空魔竜の相似について触れましたが、ジャガー武器セットがそろったのであらためて並べてみます。


頭部は武器セットNO.1の「ホーベアビーマ」、胸部はNO.2「レクトチャージャー」、背部には雰囲気でNO.2「レイカッター」を装着しています。


ヴォーグアイとジャイアントカッターを装備した大空魔竜との比較。頭部の基本構造、腹部のカッターがよく似ています。



今回はサイボーグジャガーで遊んでみました。
[ 2010/03/01 01:45 ] 合金・プラトイ | TB(0) | CM(1)