1977年度

1977年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。
作品数の減少とキャラクター人気の停滞が重なって商品数が激減しています。
ジャッカー電撃隊、ボルテスV、ダンガードAなどは低価格プラモの存在が確認されていません。

大鉄人17

大鉄人17
袋入り50円、箱入りは未確認。赤と青の2色成形が確認されています。画像はアニメSFプラモ大全科(秋田書店・1982)より。


大鉄人17 飛行17・シグコンジェット・サブマシン・シグコンタンク
製品番号8638-300,4点セットで300円なので1点あたり80円相当。バラ売りはありません。


飛行17とシグコンジェットのパーツ。4点ともコロ走行します。


サブマシンとシグコンタンク。タンクの上部は回転します。
ふたつのワクが連なったランナー形状から、単品発売の予定があったと思われます。


組み立て図の他にパンフも付属。
4点ともコロ走行部はゼンマイボックスを内蔵する形状になっています。企画時にはゼンマイ動力・単品発売という仕様が計画されていたのかもしれませんが、このサイズのキャラクタープラモでそうした例は確認されておらず、謎が残ります。
当時はスーパーカーの大ブームで、低価格帯にもゼンマイ走行のミニプラモがたくさんありました。そうした影響でゼンマイ走行が検討されたのでしょうか。


グランプリの鷹

トドロキスペシャルT2、トドロキスペシャルT3,カトリスーパーロマン、カトリファンタジー
袋入り各50円、箱入り各80円、4箱パック300円。主役メカのトドロキスペシャルT1が含まれない不思議なラインナップです。


袋入りカトリファンタジーの組み立て図。


ファンタジーのパーツ。3色成形にシャフト・シール付きの凝った仕様です。ボディパーツは赤もあり、他の3種も同様に赤・黄の2種があったようです。
シールには「ファンタジーラリーバージョン」と表記されています。



他社の動向
本年度はキャラクターよりスーパーカーに人気が集中したため参入メーカー数はわずかになっています。
アオシマでさえキャラクターからはなれて「合体カウンタック」などのオリジナルスーパーカー路線でした。

ツクダ
「恐竜大戦争アイゼンボーグ」

「アイゼンボーグマン」箱入り80円。ラインナップは4種類だった可能性がありますが他3種は未確認です。画像はアニメSFプラモ大全科(秋田書店・1982)より。
追記…やはり全4種で、他3種は「アイゼンⅠ号」「アイゼンⅡ号」「アイゼンボーグ号」でした。
    4箱パック300円もあり。 


ブルマァク
「合身戦隊メカンダーロボ」
箱入り各80円、4箱パック300円/メカンダーロボ、メカンダー1,メカンダー2,メカンダー3
赤と白の2色成形。メカンダー1~3はメカンダーマックスに合体可能。


シーホース
「ヤッターマン」
箱入り各80円/ヤッターワン、カメドンカー、コンチュ-ターカー、ガスカンクカー、パワニーカー、カバッチョカー、アリガットカー、ヤッターペリカン
赤とオレンジ、または白と緑の2色成形。4箱パックは2種存在します。

次回は1978年度です。
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1976年度 その3

1976年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

超電磁ロボ コン-バトラーV
ジョイントパズル・コンバトラーV

価格不明 100円?
ジョイントパズルについてはこちらをご参照下さい。

コンバトラーV
袋入り50円、箱入りは未確認。ガイキングと同じパターンの2色成形。
従来は腕部以外は一体成型でしたが、ガイキングとコンバトラーは成型色をいかすためか頭部・膝下が分割されています。



他社の動向 

ひとつの作品を複数社で発売する例はなくなり、以後もそうしたケースはあまり見られなくなります。
これはプラモデルだけでなくキャラクター玩具全般の傾向で、このころまではまず作品ありきでメーカーが商品化を申請するかたちでしたが、これ以後はスポンサー会社が作品企画に深く関わるようになってグループ企業で版権を独占するようになっていきます。


アオシマ
「円盤戦争バンキッド」
ミニ合体各100円 29~32号/バンキッドマザー、33~36号/バンキッドトレーラー
「合体ミニブロック」
各100円 1~4号/鉄腕アトム、5~8号/W3,9~12号/ビッグX、13~16号/ノーマン


オンダ
「マグネロボ ガ・キーン」

箱入り各80円、4箱パック300円/ガ・キーン、プライザー、マイティー、ゴッドフリーダム
ガ・キーンのみ袋入り50円もあり、ひとつの台紙に青・赤・黄の3色がセットされています。


サイズを考えれば造型は悪くないですが、成型精度が低いのが残念。ゴッドフリーダムは機首と翼が可動。


中島製作所
「グロイザーX」
箱入り各80円、4箱パック300円/グロイザーX、グロイザーロボ、Gジェット、Gシャーク

日東科学
「ドカベン」
箱入り各80円、4箱パック300円/山田くん、里中くん、岩鬼くん、殿間くん

ブルマァク
「UFO戦士ダイアポロン」
ミニユニパズル箱入り各80円、4箱パック300円/ダイアポロン、アポロンレッガー、スペースクリアー、UFO円盤NO.1

ミニユニパズル袋入り各50円/ダイアポロン、スペースクリアー、アポロン基地
袋入りはひとつの台紙に3種が4個づつ付いて1ダースになっています。
上記の3種以外のものも存在するようで、キットの組み合わせによってA~Cの3種の台紙があったと思われます。

マルシン
「バトルホーク」

袋入り各50円、箱入り各80円?/バトルホーク、ビッグホーク
袋入りは台紙に6個づつ付いています。箱入りは上下分離箱でシールが付属、パーツがメッキされたバージョンもあります。


造型・成型ともに駄菓子屋商品ぽい雰囲気。腕と斧のランナーは共用のようです。


永大グリップ
「ゴワッパー5 ゴーダム」
箱入り各80円、4箱パック300円/ゴーダム、エイプレーン、ゲソマシン、タートルタンク、ヤドカリジープ、ヘリマリン
4箱セットで確認された組み合わせは「ゴーダム・ゲソマシン・タートルタンク・ヤドカリジープ」ですが、別の組み合わせも存在した可能性があります。


メーカー不明
「ゴワッパー5 ゴーダム」
袋入り各50円/ゴーダム、エイプレーン、ゲソマシン、タートルタンク、ヤドカリジープ、ヘリマリン
パーツは永大グリップ版と同一と思われ、通常の台紙売り・ビニール袋入りとカラー印刷の紙袋入りの2種が存在しています。ビニール袋版で確認したのはタートルタンクのみ。紙袋版の流通形態は不明です。


次回は1977年度です。

1976年度 その2

1976年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

宇宙鉄人キョーダイン
ジョイントパズル・スカイゼル

価格不明 100円?
ジョイントパズルについてはこちらをご参照下さい。

スカイゼル・グランゼル 試作品

キョーダインのプラモには未発売に終わった試作品が確認されています。
前年度の仮面ライダーストロンガーを継承したバイクとヒーロー立像のセットが企画されており、発売されていればヒーロー立像が低価格プラモとして単品販売されていたと思われます。
ベルトの形状から見て、初期撮影会でのNGコスチュ-ムをもとに造型されたようです。

追記……グランゼルのミニプラモが確認されました。詳細はこちら


ザ・カゲスター
ジョイントパズル・カゲスター

スカイゼル同様、詳細は別項をご参照下さい。


大空魔竜ガイキング
ジョイントパズル・ガイキング

詳細は別項をご参照下さい。

ガイキング

袋入り50円、箱入り未確認。
キャプター同様2色成形ですが、ランナーを赤・青・黄・水色の4色で成型し、いずれか2色を組み合わせて梱包されています。台紙に1ダース揃った状態だと4色成形のように見えてカラフルです。
なお、今年度より組み立て図は大型の厚紙仕様に変更されました。
画像はアニメSFプラモ大全科(秋田書店刊・1982年)より。

ガイキング戦隊

製品番号8630-300
4体セットで300円なので1体当たり80円相当。ただしバラ売りはありません。


画像向かって左が大空魔竜とバゾラーのパーツ。右がスカイラーとネッサーで、それぞれ2色成形になっています。


4体の組み済み状態。

大空魔竜

このセットにはそれぞれちょっとしたギミックが内蔵されており、大空魔竜は尻尾を上下すると連動して首が前後に動きます。
このサイズのミニプラモのギミック内蔵は珍しいようです。

形状はなかなか良好です。首パーツの下側は肉抜きになっていてちょっと残念。

バゾラー

尻尾に連動して背びれと頭部が互い違いに上下します。
ボディの造型はかなりアレンジされてしまっています。

スカイラー

頭部を上げると着陸脚が出てきます。足?は上下に可動しますが、形状やバランスは設定とはかなり異なります。

ネッサー

頭・首・尻尾・足が可動。足の造型は簡略化がはげしいです。


スカイラーとネッサーの各部を可動させるとこんな感じです。


<1976年度の項、続く>

1976年度 その1

1976年度発売のバンダイ模型の低価格プラモデル。

忍者キャプター
火忍・雷忍・水忍・花忍・土忍・金忍・風忍

箱入り各80円、4箱セット「キャプターパックA、B」各300円。
画像はキャプターパックBで、残り3種と火忍のセットがパックA。製品番号はどちらも8614-300。
75年度までのブラウン管を思わせる箱デザインは継続されませんでした。


「パズルモ」などの流れを受けてか2色成形が導入され、パーツ分割も工夫されています。
型は7人で共用されており画像向かって左上のヘルメットの飾りのみ差し替えて成型されています。


画像左は梱包前のランナー状態。完成時サイズは10㎝前後です。
大箱7体セット「飾り台付忍者キャプター」(カスタムシリーズ10, 8617-600)も発売されました。


分割と2色成形で組み上がりのイメージは良好ですが、7人がすべて同じ体型になってしまうため映像作品の印象とはかなり異なります。


ミドレンジャーとの比較。キレンジャーやモモレンジャーは個性的な体型が再現されていたことも合わせて考えると、キャプターは造型的には後退した印象です。



ゴレンジャーまでのバンダイ模型のヒーロープラモはある程度のリアルさを備えた「模型的」な造型でしたが、キャプターでは組み立ての簡易性が優先されて「玩具的」な造型に変化しています。
こうした傾向は1976年以降のバンダイキャラクタープラモ全般に見られる特徴です。


例えばマジンガーやゲッターではコクピット再現はある程度の彫刻とクリアパーツが定番でしたが、76年以後はシールなどでの表現にとどまることになります。

このころの成型技術では精密な形状再現と簡易組み立ての両立はまだ困難でした。それでもユーザーのハードルを下げるための接着不要や多色成型といった規格を採用したのは、キャラクター作品の対象年齢の低下と関係があるかもしれません。

1971年度後半の全国的なライダーブームのころは、ファン層は幼児から小学生全般くらいまでカバーしていたイメージですが、ヒーロー乱立による「変身ブーム」、マジンガーZに始まる「ロボットブーム」と推移するなかで徐々に年齢層が低下していき、ゴレンジャーとロボコンでそれが決定的になった印象があります。
こうした流れに敏感に対応したアオシマは「多色成形・接着不要」という低年齢向けの仕様で「ミニモデル」「合体マシン」といったシリーズをヒットさせており、バンダイ模型もこの動きに追随したと考えられます。
ただし簡易組み立て仕様を実現するためには形状の簡略化やパーツ数削減が必要であり、これは「プラモデルはオモチャではない」「精密なスケール模型こそプラモの王道」という意識が強かったという当時のバンダイ模型社内の意向には沿っていません。
現場スタッフの意識とは別の部分で、簡易仕様の導入が強く求められていた可能性も考えられます。


1977年からのヤマトブーム時には従来より高い年齢層のキャラクタープラモユーザーが掘り起こされ、形状重視・接着必須のディスプレイ指向が生まれます。ただし主要なヤマトプラモは一部塗装済みとなっており、簡易性の追求はここでも異なるかたちで継続しています。

画像のヤマトの船体下部の赤、コスモタイガーのオレンジ部は塗装済みで、未塗装でも設定に近いイメージになるよう配慮されています。
1978・79年ころまでは形状再現と簡易組み立てのどちらを優先するかで揺れと混乱が見られますが、おおむねアニメ・SFファン向けは形状重視、怪獣ものなどは簡易性優先という状況でした。



この問題は1980年発売のガンプラ第1号「ベストメカコレクションNO.4 1/144機動戦士ガンダム」を転機としてある程度決着することになります。
当初のベストメカコレクションシリーズは、接着剤は使用するものの設計上はスナップフィット前提で大型の接合ピンが採用されていました。(接合ピンについてはこちら)
ガンダムに先行して発売された「闘士ゴーディアン」には「接着剤はピンの先端に付けるだけで充分」との表記があり、接着は成型精度を補うための保険のような意味合いだったと思われます。
ガンダムの設計担当の村松正敏氏は電撃ホビーマガジン(2007.8)のインタビューで「会社の方針でスナップフィットを目指したが金型精度の問題で実現できなかった」と述べています。
確かにガンダムもスナップフィットが試みられたようで大型の接合ピンが使用されていますが、形状や可動が追求されたためか細部は接着必須の小さい接合ピンを使用しています。画像左のランナーは大型のピン、右ランナーは小型ピンになっています。
続く「1/144ザク」からはすべて接着必須の小型ピンに統一され、スナップフィットは一部の低価格プラモ以外は消えることになります。


その後のガンプラブーム時には接着・塗装はおろか改造まで当たり前という風潮になりますが、こうした傾向は主にブームを牽引した雑誌メディアの視点であり、バンダイ模型自体は簡易性の追求を継続しています。
色数の少ないザクなどは1/100以上では未塗装でも設定に近いイメージに組み上がる設計になっていますし、ハードユーザー向けのMSVシリーズの展開とほぼ同時にライトユーザー向けに「イロプラ」を発売しています。画像は1/100量産型ザクの未塗装完成品。
ガンプラブームにあっても「塗装・改造あたりまえ」という方向のみに突き進まなかったのは、かつてブームに乗って倒産に至った今井科学を教訓としていたのかもしれません。バンダイ模型は今井科学の人員や施設を継承しています。

ブーム時には多くのメーカーが参入しましたが、ユーザーのハードルを下げる方向で商品開発したのは年少向けの既存路線を継続したアオシマ以外はバンダイだけでした。そして「リアルロボットの狂騒」が静まったとき、このジャンルに残ったのはほぼバンダイ1社だけだったのは象徴的です。


森永チョコのおまけプラモや小サイズのディフォルメものなどでスナップフィット技術を向上させたバンダイは、「逆襲のシャア」シリーズでのビス留めの試行、従来の1/144モデルに塗装を施した「フルカラーモデル」などを経て、1990年発売の「HGシリーズ1/144ガンダム」でついに精密な形状再現と簡易組み立ての両立を実現します。
ベストメカコレクションから10年、モデルボーグやジョイントモデルからは15年かかって、ロボットキャラクタープラモの理想的な商品仕様に技術が追いつきました。
画像のHGガンダムは頭部にスミ入れしたのみの未塗装完成品です。
1995年にはHGの上位製品「MGシリーズ1/100ガンダム」が登場し、現在に続くガンプラ市場が確立することになります。

こうしたバンダイ独自のキャラクタープラモの変遷において1975-76年ころは最初の転機となっており、たいへん興味深い時期だったと考えられます。



<1976年度の項、続く>