ジョイントモデル周辺情報


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当ブログは、もともとはバンダイ模型が1975~77年に発売した関節可動ロボットプラモデル「ジョイントモデル」についての情報をまとめておこうと始めたものです。
最近はすっかり何のブログかわからない状態になっておりますが(^^;

今回はひさしぶりにジョイントモデルについて、これまで触れていなかった周辺情報を落穂拾い的に取り上げておきます。



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まずは訂正です。
オレンジ色のジョイントパーツが使用された初期グレンダイザーについて、付属シールが紙製と記述していましたが実際はビニールというかポリ?のような材質でした。
一見するとツヤツヤにコーティングされた紙のように見えるし、現物は使用せずコピーを使っていたのでわかりませんでした。

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画像の個体は近年組み済み状態で入手したもので、シールの位置を直そうとして初めて紙でないことに気付きました……我ながら目がフシアナ(汗

なお、入手時には「もしかしてギザなしジョイントの最初期版かも?」と期待しましたが残念ながらギザありの改良ジョイント版でした……無念。




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徳間書店アニメージュ1981年4月号に掲載されたジョイントモデル紹介記事。
ジョイントモデルを「ガンプラの元祖」と位置づけたのはこの記事が最初と思われ、文中にある通りこの後ジョイントモデルは4種が白色成型で再版されました。

この号ではガンプラを中心としたキャラクタープラモデルが特集されており、バンダイ模型が全面的に協力しているようで、掲載品はどうやらバンダイ内部に保管されていた見本品を撮影しているように見えます。
中でもジョイント・ダンガードAは超合金と同様に胸部左右が赤く塗装されており、こうした個体は当時の広告などで見たことがありません。



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こちらは翌1982年1月に発売されたアニメージュ増刊アニメ・プラモ・マニュアル。

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アオシマの300円アニメスケールイデオンの改造作例に、再版されていたジョイントモデルのボールジョイントが流用されています。制作は酒井正氏。
当時「こんなカッコイイイデオンが発売されないかな~」と思っていました(^^
現在の目で見ても魅力的です。
「酒井正」というのは、たしか草刈氏の筆名だったような…?

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記事の文中に「ボールジョイントだけのためにジョイントモデルを購入するのはもったいないが」というような記述があります。
このころはまだ、模型用マテリアルとしてのボールジョイント商品化など想像もできないという時代でした。




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文化産業新聞社エンターテイン・キャラ通に1998年ころ掲載されたジョイントモデル紹介記事。
キャラ通プラモ探検隊という連載の第3回目です。
記事の切り取りだけが手元に残っているので掲載の号数はわかりません(^^;

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レイアップというデザイン会社が資料協力しており、白黒ながら発売当時の広報用写真が掲載されていて貴重です。
この頃はまだネットオークションなどが無かったので、現物の入手が相当に困難だったためこうした写真に頼らざるを得ない面もあったのかもしれません。
当時はフィギュアブームでしたが、過去玩具についての情報発掘・共有はまだ始まったばかりという状況でした。
そうした情報不足の中で、なかなか詳しい内容の記述になっています。

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これは同じ連載の第2回に掲載されたガイキングの試作写真。
大きい方は電動版、小さいのがジョイントモデルです。
まだジョイントパーツが使用されておらず、足裏に車輪が付いているのが注目されます。

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キャラ通はフィギュアブームのころに大型模型店や家電量販店ホビーコーナーなどでよく目にしました。
ほとんど白黒で薄いのに価格は600円くらいで、ビニールパックされて中が見えないことも多く、購入はなかなかたいへんでした。「プラモ探検隊」の連載は第13回まで確認しています。
その後のキャラ通は、平成ライダーシリーズの出演俳優などを多く取り上げる誌面に変わって2003年ころまで継続していたようです。



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最後はみくに文具様の私家版「第14回静岡見本市&国際玩具見本市会場写真集」より、ジョイント・ゲッタードラゴンの試作箱。
デザイン的な情報量の少なさから、展示専用に作られたダミーではないかと想像しています。
中のトレイのパーツ配置も製品版とは異なっており、なぜかふとももパーツは赤成型になっているようです。

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見本市では数多くの塗装済み完成品が展示されているので、パーツの成型色は適当でも問題はなかったのかもしれません。




このほか、バンダイ出版課が発行していた模型雑誌B-CLUBでも、ジョイントモデル紹介記事が掲載されたことがあったようです。
掲載誌の号数など、詳細をご存知の方はご教示いただけると幸いです<(_ _)>

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[ 2020/05/08 02:45 ] ジョイントモデル | TB(-) | CM(0)

《再掲》ジョイントモデルの誕生

2012年4月10日投稿の再掲載です。




ジョイントモデルの誕生
 
 
前回述べたように、バンダイ模型は1974年末から1975年春季にかけて以下の4種のロボットプラモデルを発売しました。
 
  1.グレートマジンガー/ゲッターロボ秘密基地
  2.スーパートレーラー
  3.DXモデル
  4.モデルボーグ
 

これらはいずれもそれ以前のロボットプラモとはやや異なる要素で構成されています。
そうした変化の背景として、ポピーの超合金やジャンボマシンダーの大ヒットの影響があったのではないかと思われます。
 

そしてバンダイ模型は1975年度春季新番組の製品化を迎えます。
画像はその時期のカタログですが、この時点ではゲッタードラゴンとゲッターライガーのDXモデルの発売が予告されています。
追記…ライディーンにもDXモデルの発売予定がありました(予価600円)。
 
価格帯とキャラクター選定の一致から、このDXモデルの企画がジョイントモデルに変更された可能性が考えられます。
あるいはジョイントモデルがあらたに立ち上がったため、DXモデルは休止されたのかもしれません。
いずれにせよこのあたりがジョイントモデルの誕生時期のようですが、その企画はどのように成立したのでしょうか。
 

電撃ホビーマガジン(アスキー・メディアワークス)の2010年3月号にて、当時のバンダイ模型関係者の談話として「ジョイントモデルは超合金への対抗策だった」と端的に述べられています。
同誌にはこれ以上の情報はないのですが、当時の状況をもう少し詳しく考えてみます。
 
過去記事でも触れましたが、バンダイ模型とポピーはほぼ同時期にバンダイ本社から独立したグループ企業です。
バンダイ模型内部ではスケールモデルメーカー志向が強かったそうですが、一方でキャラクターモデルに関しては、同じ作品をもとに製品を作る点でポピーとはライバル関係になります。
 
当初のバンダイ模型のキャラクターロボットプラモデルは昭和30年代のブリキ玩具のような旧態依然としたものでした。
スケールモデル志向の強いバンダイ模型にとってキャラクターロボットは「しょせんは絵空事にすぎない、現実との接点の無いもの」であり、積極的な商品開発の動機はなかったのかもしれません。
 
それでも作品自体の人気によってマジンガーZやゲッターロボのプラモデルはよく売れています。
当時の模型小売店業界主催のモデル大賞において、最もよく売れた商品シリーズに贈られるプロフィット賞は、1973年マジンガーZ,1974年ゲッターロボとゼロテスターとなっています。(*)
   

ただし1973年夏季のジャンボマシンダーと1974年2月の超合金の発売によって、状況は大きく変化していきます。
ジャンボマシンダーと超合金の大ヒットはキャラクターロボットのみならず男児向けキャラクター商品全体を根底から変革するような規模になっていきます。
その勢いはグレートマジンガーが登場してマジンガーブームが2年目に入っても衰えることは無く、一過性のブームで終わらずに業界のあらたなスタンダードとして定着しようとしていました。 
 
ここに至ってバンダイ模型もこうした情勢変化に対応せざるを得なくなり、キャラクターロボットプラモデルの新しいかたちを模索し始めます。
その具体的な表れが前回取り上げた4シリーズでした。
こうした『超合金への対抗策』の結実がジョイントモデルだったと考えられます。
 
 (*)余談ですがプロフィット賞の1972年は仮面ライダー、1975年は合体マッハバロン、1976年は ロボダッチとなっています。一部模型関連ライターによる記事には『1970年代中盤にはキャラクタープラモは衰退して風前の灯だった』というような記述がよく見られますが、プロフィット賞の履歴と照合するとこれらは主観的な思い込みによる、正確さに欠けた認識ということがわかります。
   

以上のような状況認識を踏まえると、バンダイ模型がDXモデルを継続しなかった理由は、根拠はないものの以下のように想像できそうに思います。
 

DXモデルの特徴はメッキによる金属感、オモリによる重量感、パンチ発射というもので、これらはすべて超合金の模倣になっています。
そして本物の金属の質感・重量感やパンチギミックの確実性、脚部可動などを持つ本家超合金の方があらゆる面で優れています。
 
こうしたことを考えると、
 
  異なるジャンルのヒット商品を模倣してもオリジナルの代用品以上にはならない、
  ましてそれがライバルの作り出した製品の模倣ならば積極的には継続したくない
 
DXモデルが休止された理由はおおむねこのあたりにあったと想像できるのではないでしょうか。
 


 
次に、ジョイントモデルがどのように立ち上がったのかを考えてみます。
ジョイントモデルの特徴を確認しておくと、以下の4点です。
 
  1.設定通りの形状再現(ギミックによる制約を受けない)
  2.各関節の可動
  3.接着剤不要の組み立て
  4.ある程度色分け済み
 
これらのうち1、3、4の要素は他社を含む先行製品にも見られるものです。
ジョイントモデル最大の特徴は2の関節可動ということになります。
 
 

前回触れた通り、バンダイ模型はモデルボーグでキャラクターロボットプラモの関節可動を試みています。
ただしそれは可動域や耐久性の点で問題が多く、まだ完成度の低いものでした。
モデルボーグの持つ複雑さ・多重性を整理して 構造を単純化し、DXモデルの価格帯におさめることで児童の買いやすさを併せ持ったのがジョイントモデルと考えられます。

ジョイントモデルがムク成型のパーツを多用してプラモデルよりも玩具に近い壊れにくさをもっているのは、モデルボーグでの壊れやすさに対応した結果なのかもしれません。
  
そしてジョイントモデルが安定した可動と耐久性を実現できたポイントとなったのが、専用のジョイントパーツの開発です。
 

ジョイントモデルに採用されたジョイントパーツは、やや弾性のあるプラと塩ビの中間のような材質を金属のハトメで固定する構造になっています。
このジョイントパーツを関節として各パーツをつなぎ合わせるだけで、自由に動いて壊れにくいロボットになります。
 

 
 ジョイントパーツがジョイントモデル成立の要点であり、パッケージでも売りとして強調されています。
では、バンダイ模型はどのような発想でこのジョイントパーツの開発に至ったのでしょうか。
 


ここで注目されるのがタカラのミクロマンです。
ミクロマンはジョイントモデルの1年ほど前、1974年7月に発売されました。
当初は雑誌やテレビでの広告展開が行われなかったにも関わらず児童に急速に普及して人気玩具になっています。
同年の年末商戦には早くも大型商品のタワー基地M-115も登場しており、超合金などのライバルとして順調に売り上げを伸ばしていたことがわかります。
 
ミクロマン開発担当の小川岩吉氏はビクトリー伝説(徳間書店1999)のインタビューにおいて、次のような内容を語っています。
 
  ミクロマンでいちばん問題だったのは関節部分だった。
  いろいろ試行錯誤したがうまくいかず、ある時小型の折り尺(折りたたみ式の定規)に使われている
  2ミリ径のビスに気づいて、それをヒントに短いビスを特注してようやく関節ができた。(要約)
 
この談話のポイントは、関節開発のヒントが折り尺だったという部分です。
言い換えると、玩具や模型などの近接ジャンルには参考になるような先行製品が存在しなかったということを意味しています。
 

モデルボーグでタカラの変身サイボーグの影響を強く受けていたバンダイ模型は、その後継シリーズとして人気を集めていたミクロマンも当然チェックしていたと思われます。
ジョイントモデルのハトメ関節をミクロマンと比較してみましょう。
 

 
金属パーツの形状は異なりますが、サイズと基本構造はよく似ています。
ミクロマン開発時にはこれほど小さい関節構造を持つ先行品は存在しなかった(だからこそ開発に苦労した)という事実からすると、ジョイントモデルのハトメジョイントはミクロマンをヒントに、その影響下に開発されたと考えるのが妥当だと思います。
 
そしてそのハトメジョイントは1976年にはさらにボールジョイントに刷新されますが、そこにもタカラのマグネモ・鋼鉄ジーグの影響が垣間見えるのは興味深い点です。(詳しくはこちら
 
また、ジョイントガイキングとコンバトラーVのデラックスセットはジョイントモデルをF1カーに乗せるというおかしな構成になっていますが、そもそもの出発点がミクロマンにあったとすれば「可動人形+乗り物」という組み合わせはむしろ必然だったと考えることができます。
 

 
 
 
金属感・重量感・パンチ発射という超合金の要素からはむしろ距離を置き、可動性能の一点に絞って超合金とは異なる魅力を持つロボットプラモを目指す。
安定した関節可動実現のためにミクロマンの関節構造に着目し、それを参考に関節自体をパーツ化して全身に実装するという独自の発想。
 
ジョイントモデルはこのような開発経緯で誕生したのではないでしょうか。
 
 

 
 

 
当ブログでは、ジョイントモデルの成り立ちはおおむね以上のようなものだったのではないかと想像しています。
ただし多くの部分が資料の裏付けのない推測ですので、どの程度事実に即しているのかはわかりません。
 
 
キャラクタープラモデルの歴史を扱う書籍などで、ジョイントモデルはしばしば「のちのガンプラにつながる関節可動プラモの元祖」などと紹介されることがあります。
しかしそうした可動プラモが誕生した背景やハトメからボールジョイントへの進化などについて詳述されている例は見た記憶がありません。
 
キャラクターロボットプラモデルの進化を考える時、ジョイントモデルとその前後のバンダイ模型プラモデルには注目すべき多様な要素が含まれていると思います。
こうした部分への詳しい取材と情報の公開が行われるよう願っています。
 
 
[ 2019/11/27 11:26 ] ジョイントモデル | TB(-) | CM(0)

《再掲》ジョイントモデルの背景

2012年4月8日投稿の再掲載です。
発売中の昭和40年男でみくに文具さまが紹介しているグレート・ゲッター秘密基地も取り上げています(^^




ジョイントモデルの背景 
 
 

 
ジョイントモデルは1975年から77年にかけて展開されました。
 
それ以前のバンダイ模型のキャラクターロボットプラモデルは、1974年秋のグレートマジンガー初期製品まではブリキ玩具をプラモデルにしたような旧態依然としたものが主流でした。
1975年夏季のジョイントモデルの発売までの間に、バンダイ模型にどのような変化があったのでしょうか。
 
当ブログでは旧来型のプラモデルとジョイントモデルを橋渡しする存在として、1974年末期から翌年春季に発売された以下の4シリーズに着目します。
 
  1.グレートマジンガー/ゲッターロボ秘密基地
  2.スーパートレーラー
  3.DXモデル
  4.モデルボーグ
 

1.グレートマジンガー/ゲッターロボ秘密基地
 

グレート/ゲッター秘密基地は1974年の年末商戦に向けて各2500円で発売された大型製品です。
画像のゲッター秘密基地は欠品多数のジャンク品、グレート秘密基地は1998年の再版です。
 

オリジナルの格納庫風基地に既発売のモーター動力ロボットをまるごと同梱し、各種のクレーンや運搬車、オリジナルの腕パーツなどで整備・改造シーンを再現して遊べる内容になっています。
なお基地のパーツはグレート・ゲッター共通で、成型色のみ変更されています。
 

キャラクタージャンルの秘密基地としては今井科学のサンダーバード秘密基地がさまざまな意味で大きなインパクトを残しており、その後もマイティジャック、ガッチャマン、ウルトラマンA、マッハバロン等を題材に南海の孤島風の秘密基地プラモが多くのメーカーから発売されています。
一方バンダイ模型は1972年度にウルトラホーク秘密基地としてビルディングに擬装したオリジナル基地4種を発売しており、グレート/ゲッターの秘密基地はその発展型に位置づけられます。
 

『マジンガーZ』はテレビアニメとしては初めてロボットの巨大感や実在感を重視していたため、研究所内の格納庫での修理・改造シーンなどが頻繁に描かれており視聴者に強い印象を残しました。
グレート/ゲッター秘密基地とほぼ同時期にポピーのジャンボマシンダーでは厚紙製の大格納庫のプレゼントキャンペーンが実施されており、当時の児童にとってロボットの格納庫が魅力的な存在だったことがわかります。
 

またグレート/ゲッター秘密基地の縦型レイアウトの巨大な箱は「模型売り場のジャンボマシンダー」のような位置付けを狙っていたようにも見えます。
基地に同梱されたオリジナルの腕パーツにも変身サイボーグやジャンボマシンダーの影響が感じられます。
 

2.スーパートレーラー
 

スーパートレーラーは秘密基地よりやや遅れて1975年初頭に発売されたゼンマイ動力プラモシリーズです。
50円クラスのミニプラモ以外では初めて全面的にスナップフィットが導入されており、価格は各350円。
 
前年まではロボット本体に動力を内蔵してプロポーションが犠牲にされる傾向がありましたが、このシリーズではロボットのスタイル再現と走らせて遊ぶ要素の両立が試みられているのが注目されるポイントです。
その発想にはジャンボマシンダーで商品化されたマジンガーZ用の重戦車Zの影響がありそうです。 
 

画像はグレートマジンガースーパートレーラーの完成品。トレーラー自体はゲッター1と同型です。
グレート本体はブレーンコンドル同梱品と同じものです。(詳しくはこちら
 

スーパートレーラーの箱絵にはいずれも背景に秘密基地が描かれていますが、ロボットのスケールがまったく異なるため実際には連動させて遊ぶ要素はありません。
なおゲッター2スーパートレーラーは発売が確認されていないようです。
また、トレーラー部はのちに金型改修されてゲッターロボGのミニドラゴン(200円)に流用されています。 
 

3.DXモデル
 

DXモデルは1974年末から75年春ころに展開された動力無し・塗装済み・接着不要のロボットプラモデルです。
グレートマジンガー、ゲッター1、ゲッター2、マッハバロンの4種が発売され、価格は各500円。
グレートとゲッター1はスーパートレーラー同梱品と同じパーツが使用されています。
ウインドウタイプの一体型の箱はプラモデルというより玩具に近い印象です。
 

画像はゲッター2の完成品とグレートマジンガーの再現品(詳しくはこちら)。
ゲッター2以外の3種はパンチ発射が主なギミックです。
 

また、いずれも脚部に金属製のオモリ(画像の個体は錆が出ています)を内蔵する仕様になっていますがギミックなどには関係なく、単に重量感を持たせることが狙いのようです。
パンチの発射、重量感、金属を思わせるメッキ処理といった特徴から、DXモデルは当時大人気の超合金の魅力をプラモデルに取り込もうとしたシリーズだったと言えそうです。
 

ほんの数ヶ月前に発売されたゼンマイ動力ミニゲッターは人型ですらなかったことを考えると、バンダイ模型のキャラクターロボットに取り組む姿勢は大きく変化しています。
こうした変化の背景にはポピーの超合金とジャンボマシンダーの大ヒットの影響があったと考えられます。
かつてはブリキが主体だったロボット玩具はポピーによって進化・刷新され、バンダイ模型もようやくそうした流れに追いつこうと動き出したようです。

 

4.モデルボーグ
 

モデルボーグはDXモデルとほぼ同時期、1975年初めから春ころに展開されたロボットプラモデルシリーズです。
こちらはグレートマジンガー、ゲッター1、マッハバロンの3種が各1000円で発売されました。
 

モデルボーグはメッキメカを内蔵したクリア素体をメッキ・塗装済みの外装パーツで覆う構造になっています。
画像の現物はゲッター1です。
 
プラモデルのジャンルには1960年代からクリア成型の本体内にエンジンなどを再現した戦闘機や戦車のキットが存在しており、モデルボーグはそうした要素を受け継いでいる面があります。
また、人型という点に着目すると人体模型のプラモデルなどの影響もあるのかもしれません。
 

クリア素体は単に内部メカを再現しているだけでなく、各関節の可動が試みられています。
画像ではわかりにくいですが頭部、腰部も回転しており、組み立て図にも素体状態で遊ぶことを前提とする記述があります。
なお足にはDXモデルと同様に金属のオモリを内蔵しています。
 

画像はクリアパーツの接着前の状態。ひざと足首はネジ留めで可動するほか、脚の付け根はボールジョイントに近い形状になっています。
ただし実際に組み立てると可動範囲は広いとは言いがたく、一つ前の画像程度のポーズ付けが精一杯です。
 
 

メッキメカ内蔵の可動クリア素体、その素体にキャラクターの外装を被せるという構造は、1972年から展開中だったタカラの変身サイボーグシリーズと同じです。
「モデルボーグ」とはプラモデル+サイボーグの造語でしょうから、変身サイボーグの影響を受けているのは間違いないと思われます。
画像は少年サイボーグとゲッター1素体。
 

腕の外装パーツはリング状のプラパーツで固定します。
本体は足にゴム製のクツを履かせて固定するのですが、画像の個体では経時変化でクツパーツが縮んでしまい、使用していません。
なお、メッキ・塗装済みで金属感のある外装は超合金に近い要素と言えるかもしれません。
また、可動素体と外装の多重構造はガンプラMGシリーズの遠い祖先と位置づけることもできます。
 
 

モデルボーグはさまざまな先行製品をよく研究して多様な要素をバランスよく取り入れて構成されており、この当時のキャラクターロボットプラモデルとしては決定版といえる傑作だと思います。
バンダイ模型としても新たなプラモデルとして力を入れていたようで、専用のシリーズロゴや通常は印刷の無い下箱までカラー印刷を導入するなど装丁面にも工夫がこらされています。
 
 

 
では、それほどよく出来たモデルボーグは、なぜ翌年度以降も継続されなかったのでしょうか。
おそらくその理由のひとつは、プラモデルの宿命的な「壊れやすさ」だったのではないかと想像しています。
 
モデルボーグの発売当時、実際にグレートマジンガーとゲッター1を購入してたいへん気に入っていたのですが、どちらもほどなく関節部や外装のリングパーツが破損してしまったのを憶えています。
当時はパーツ単位での部品注文制度もなかったので対応するすべも無く、一部が破損したモデルボーグにはなんとも微妙で中途半端な感情を抱きました。
 
今回撮影している個体も、リングパーツのひとつが割れてしまいました。 
モデルボーグが意欲的に導入したアイディアの多くは、壊れやすいプラモデルよりも丈夫な玩具で実現するのに適したものだったように思います。
 
他に継続されなかった理由としては、メッキ・塗装にかなりの手間がかかるため生産ラインの確保が困難だった可能性も考えられるかもしれません。
 

そしてジョイントモデルへ
 
数ヶ月のうちに以上の4シリーズを開発したバンダイ模型は、1975年度を迎えます。
春季新番組のゲッターロボGでは、当初はゲッタードラゴン、ライガーのDXモデルの発売が予告されていました。
 

この予定が変更され、実際にはジョイントモデルが発売されることになりました。
その企画変更の過程にはある玩具が決定的な影響を与えているのではないかと想像しています。
[ 2019/11/25 22:58 ] ジョイントモデル | TB(-) | CM(2)

《再掲》グレートマジンガー

2010年5月8日投稿の再掲載です。
今回から3回にわたってジョイントモデル誕生の背景を考えています。
グレートマジンガーはゲッター1とともにバンダイ模型のロボットプラモデル変遷のターニングポイントになったキャラクターです。




 グレートマジンガー 
 

 
マジンガーZは人気絶頂のまま1974年9月に続編「グレートマジンガー」にバトンタッチします。
グレートの登場は早い段階から周到に計画されていたので、関連玩具は当時としては異例の早さで店頭に並びました。
 
プラモデルもゲッターロボの初期製品に続いて開発されたらしく、通常より早い時期に発売されたようです。
初期発売分は以下の通りです。
 
 グレートマジンガー(モータ-歩行)
 ミニグレートマジンガー(ゼンマイ動力マジンガーZの金型改造/チビッコグレートマジンガー名義でも販売)
 ブレーンコンドル(ゼンマイ走行/マスコットグレートマジンガー付き)
 グレートマジンガー(袋入り50円または箱入り80円の廉価プラモ)
 ブレーンコンドル( 同上 ) 

         
グレート本体はモーター版・ゼンマイ版共にマジンガーZ・ゲッターロボの路線を踏襲しており、映像中のイメージとはかけ離れた形状でした。画像のモーター歩行グレートは1998年の再版を仮組みしたもの。
 

ブレーンコンドルによる起動やアトミックパンチの発射などはZやゲッター1と同じ。
マジンガーブレードとグレートブーメランは手で持つことができます。スクランブルダッシュは脱着可能。
ディテール単位で見ると設定に近い部分もありますが、ギミックに制約されたスタイルのためにあまり奏効していない印象です。
 

マジンガーZとの比較。脚の内側に角度のついた形状はよく似ており、ボディ部分の金型はマジンガーZを改造した可能性が考えられますが、真相は不明です。
改造が事実なら、マジンガーZが再版されないのはそのためということになりますが…どうなのでしょうか?


 

オモチャ然としたグレートに対してブレーンコンドルはイメージ通りの形状になっており、この点もこれまでと同様です。
画像の個体は1998年の再版。


50円サイズの廉価プラモは同シリーズのゲッターロボとほぼ同時に発売されたようで、マジンガーZには無かった新機軸商品です。(詳しくはこちら
画像のグレートの台車はゲッター1のもので代用しており、本来はボディと同じ青色成型です。
 

廉価ゆえにギミックによる制約はありませんが、グレートは目の彫刻が丸くなっていたりやや脚の短いスタイルなど、形状的にはいまひとつの感じです。


これら初期発売品の中では、ブレーンコンドル付属の「マスコットグレートマジンガー」が注目されます。
 
実写ヒーローを立像形体で立体化してきた「マスコット」と同じ名義が使われているのは、キャラクターロボットにもようやく形状重視の視点が適用され始めたことを意味していると考えられます。
実際にこのグレートは初期製品の中ではもっとも良好な形状になっています。
 

ただし「ロボット=動くオモチャ」という先入観を払拭しきれなかったのか、四角くデフォルメされた足にはコロ走行用の車輪が付いています。
この先入観はかなり根強いものだったようで、人型ロボットの足裏に車輪を付ける例は1977年のジョイントモデル・ダンガードAまで続いています。
 

このグレートでもうひとつ注目すべきなのは50円クラスの廉価プラモ以外では初めて接着不要のハメコミ式(スナップフィット)が採用されている点です。
ハメコミを活かすことでスクランブルダッシュ・ブレーンコンドル・グレートブーメランは脱着式となり、パンチ発射ギミックと合わせてかなり遊び甲斐のあるプラモデルになっています。
 
このように「マスコットグレート」からはバンダイ模型のいろいろな変化の兆しが見て取れます。
なお、このグレートは「リトルグレートマジンガー」名義で単品売りもされたようですが、現物は確認出来ていません(情報をお持ちの方はお知らせいただけると幸いです)。
また、のちに発売される「グレートマジンガースーパートレーラー」にも同梱されたほか、メッキ・塗装済みの状態で「DXモデル」としても発売されています(参照)。


 
以上のように、グレートのプラモデルは基本的には「バンダイロボットシリーズ」の路線を継承してスタートしましたが、バンダイ模型の「人型ロボット」へのアプローチには少しづつ変化が見られます。
 
1974年の年末商戦向け新製品からは、時代の要求に合致した新しいかたちの「キャラクターロボットプラモデル」を求めるバンダイ模型の試行錯誤が本格的に始まります。
 
[ 2019/11/24 23:51 ] ジョイントモデル | TB(-) | CM(0)

HJメカニクス02感想




発売中の雑誌HJメカニクス02(ホビージャパン)でジョイントモデルが取り上げられています。

「なつかし模型ハンター」という連載企画で、カラー4ページにわたってジョイントモデル全10種の紹介、ハトメからボールジョイントへの変化など基礎情報がまとめられています。
また関連プラモとしてモデルボーグ3種、DXモデルとジョイントパズルの一部も掲載され、パズルモにも軽く言及されています。

当ブログを始めたのは「ジョイントモデルをきちんと紹介した出版物が無い」状況への不満が動機でしたが、10年を経てこうした事例が現れたのはよかったです(^^




とはいえ肝心の記事内容は、率直に言っていまひとつです…

商品写真は基本的に箱の正面画像だけなので、検索で容易に見られるものを並べてみてもほとんど意味が感じられません。
個々のジョイントモデルについてはちょっとした解説がありますが、当ブログのジョイントモデル関連ページをお読みの方には目新しい情報はほぼ皆無です。

ボールジョイントへの変更は「画期的な可動範囲の拡大」こそがポイントなのに、妙に「ゆるみの防止」を強調しているあたりはどうもズレている印象です。

ジョイントモデル誕生に至る状況の流れに触れているのはいいのですが、モデルボーグがバンダイ模型初めての「関節可動ロボットプラモ」であるというポイントをスルーしているのは気になります。
モデルボーグでの試行がジョイントモデルにつながっていくのだから、この点に触れていないのはいかにも不十分です。
そもそもモデルボーグとDXモデルを「塗装済プラモ」とひとくくりに解説しているので、モデルボーグが内部再現モデルであることすら読者に伝わりません。
追記:モデルボーグ・グレートの説明・画像をよく見ればなんとなく内部再現モデルであることは想像できますが、辛うじてわかる程度です。

記事の担当者はかつてガンプラジェネレーション(講談社1999)で、クローバーの合金ガンダムについてでたらめな誤情報を書いていた人物です。
ジョイントモデルの記事にはデタラメを書かれなかっただけでも御の字、と考えるべきでしょうか。
まさかとは思いますが、プロなのに関係者取材や資料発掘をせず、素人の当ブログを読んで得た情報をテキトーに再構成しただけ、とかではない……ですよね?(^^;


なお、組み済み品としては再版のライディーンとコンバトラーVの彩色完成品が掲載されており、これらはバンダイ内部で保存されていたもののようです。
コンバトラー頭部のVマークなどの特徴から、再版箱に完成見本として掲載されていた個体と思われるのですが、後年に一部再塗装されたようで色調が変わってしまっているのが残念です…




HJメカニクス02にはもうひとつ、見逃せない記事があります。
個人的にはこちらが本命です。



今年公開された劇場映画をメインとしたマジンガー特集で、かつてのバンダイ模型プラモデルが紹介されています。
カラー6ページにわたって、バンダイに保存されていた完成見本の特写です!
電動マジンガーはもちろん、ゼンマイマジンガー、ホバーパイルダー、電動グレート、ブレーンコンドル、マスコットグレートが掲載されています。
かなり大きな写真もあって、当時の塗装の粗っぽさやランナーから切り離した痕跡、うっすら積もったホコリまで確認できます(^^
上の画像はあえて小さくしていますので、ぜひ現物をご確認下さい。


これらは当時のカタログや広告でおなじみの印象ですが、今回掲載されたものとは別個体の場合もあるようで、このあたりはいずれ詳しく取り上げるかもしれません。




他には、ガンダムF91特集の関係者インタビューが興味深いです。
最初のHGガンダムが発売されたころ、なぜ他の商品にもシステムインジェクションが爆発的に広まっていかないのかと疑問でしたが、そのあたりの周辺事情が語られています。


それにしても、オールカラーで紙質もよさそうではあるものの、中綴じで100ページちょっとの雑誌が1500円超というのは書店でビックリしました。
広告が一切載っていないことも価格に影響しているのでしょうが、半値程度が適正だろうと感じてしまうのは出版不況についての認識が甘いのでしょうか…(^^;


[ 2018/11/12 01:09 ] ジョイントモデル | TB(0) | CM(5)